いろんなフレームワークに情報を当てはめて・・・
う~ん、なんだか解決に近づいている気がしないなぁ。
知っているだけでは問題解決力はつかなかったよ。
フレームワークを思考のきっかけ・観点にして
自分で推論するのが大切だよね。
問題解決力をつけたい人が学ぶべきなのはフレームワークではなく、
フレームワークを使って推論する方法です。
このことを気づかせてくれた本を紹介します。
『問題解決力を高める「推論」の技術』です。
ただの情報整理ツールではなく、
確からしい結論を導く手段として活用してこそのフレームワーク。
どれだけフレームワークを集めても、問題は解決しません(でした)。
『問題解決力を高める「推論」の技術』から学んだ問題解決力に必要な推論の方法を紹介します。
目次
問題解決力を高める「推論」の技術は3つある
『問題解決力を高める「推論」の技術』は、
問題解決に必要な推論の方法がわかりやすくまとめられています。
推論⇒未知の事柄に対して論理的に確からしい結論を導くこと
VUCA※といわれる予測不可能な時代では、
どこかにある正解を探すのではなく、可能性を見出す力が求められます。
※Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性の頭文字をとったもの。
推論は方法論があり、3つに大別されます。
・帰納法 :複数の事実から共通点を見つける
・演繹法 :前提に物事を当てはめる(三段論法)
・アダプション:起こった現象に法則を当てはめる
推論をうまく活用して問題解決に活かす
推論を使うときのコツをそれぞれ紹介します。
帰納法を使うコツ
帰納法を使うコツは、洞察的帰納法です。
洞察的帰納法:実体から概念を抜き出し抽象的な法則を導く
例えば、”水”という実体は、飲むもの・火を消すもの・洗うものなど概念を抜き出せます。
抽象化することで、
適用範囲が広い、別の事象に当てはめやすい法則を見つけられます。
演繹法を使うコツ
演繹法は前提となるルールに当てはめれば自動的に答えが出るので、
前提となるルールの正しさが結論の正しさに直結します。
前提のルールを疑ったり、前提のルールを別の視点から見たり、
前提についてどれだけ考えを深められるかが推論の出来に関わります。
アダプションを使うコツ
アダプションは現象に法則を当てはめる方法なので、
そもそも法則を知らないと当てはめる時点でストップしてしまいます。
法則を見つけるコツは、洞察的帰納法で抽象度の高い法則をストックすることです。
視点を持って日頃からニュースや問題点を思考することが必要です。
「なぜ〇〇なんだろう?」
「〇〇と△△に共通することはなんだろう?」
などと考える習慣が、問題解決の基礎力になります。
フレームワークは視点を提供する思考のツール
『問題解決力を高める「推論」の技術』では、
”フレームワークは情報整理の穴埋めツール”ではなく、
”推論のためのツール”と述べられています。
フレームワークは思考するときに有意義な視点を与えてくれるのですが、
機械的に情報を埋めるだけでは何も生み出しません。
フレームワークの観点で集めた情報から、
どんな結論が導き出せるかを考えるのが推論です。
推論を組み合わせて問題解決する
推論を使って問題解決をするには、
具体的にどのようなステップをたどればよいでしょうか。
問題解決にはアダプションが適しています。
アダプションで適用する法則は帰納法で導き、
アダプションで得られた結論は演繹法で確かめます。
問題となる現象を発見したら、それにさまざまな法則を当てはめてみます。
一番確からしい説を仮説とし、演繹法で物事に当てはめてみましょう。
演繹法の結論が成立していれば、仮説は確からしいと言えます。
問題解決の具体例
具体例で考えてみましょう。
問題:売上が落ちた(現象)
アダプションで適用する法則:
・来客数が減ると売上が落ちる
・夏になると売上が落ちる
・ライバルが半径3キロ以内に出店すると売上が落ちる
・値下げをすると売上が落ちる
・商品バリエーションを減らすと売上が落ちる
など
仮説:売上が落ちたのは値下げをしたからだ
演繹法での検証:
昨年、値下げをした ⇒昨年は売り上げが落ちているはず(演繹法の結論)
実際には売上は上がっていた⇒仮説は正しくなさそうだ
⇒アダプションに戻って別の仮説を導く
3つの推論技法に当てはめれば確からしさを検証できます。
『問題解決力を高める「推論」の技術』を無料で読む方法
『問題解決力を高める「推論」の技術』は耳で聴けるオーディオブックがあります。
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いつでも解約が可能で、気軽に耳からアウトプットできます。
『問題解決力を高める「推論」の技術』の次に読むなら?
『問題解決力を高める「推論」の技術』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『メタ思考トレーニング』
『問題解決力を高める「推論」の技術』がちょっと難易度高そう、と思ったら、
新書でさくっと読める『メタ思考トレーニング』がおすすめです。
例題を考えながらwhy型思考とアナロジー思考のトレーニングができます。
参考記事:メタ思考トレーニングを要約!Why型思考とアナロジー思考の例題が満載
②『アーキテクト思考』
『アーキテクト思考』は、アナロジー思考と抽象化思考を駆使して全体構想を描く思考法です。
ゼロから1を生み出す、最初の絵・設計図を描くような仕事をする人には特に勉強になる本。
参考記事:『構想力が劇的に高まるアーキテクト思考』の要約:ゼロからに構想を描ける人材になる
③『0ベース思考』
前提を疑うという姿勢につながるのが『0ベース思考』です。
自分のバイアス(偏見)や一般常識から外れて考えることの重要性と、
何より楽しさがわかります。
参考記事:『0ベース思考』の要約:社会常識や一般的な基準を超えて自由に考える
まとめ:『問題解決力を高める「推論」の技術』で可能性を予測する
・推論の技術は3つある:帰納法/演繹法/アダプション
・洞察的帰納法で抽象的な法則を導く
・演繹法は前提のルールを疑う/捉え直す/別の視点から見る
・アダプションを適用するには適用する法則を知っている必要がある
・フレームワーク=推論のツール
・問題解決には推論を組み合わせる
変化のスピードが早くて正解が見つけにくい時代に、
推論のスキルは必須だと感じました。
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