『リッツカールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』は、リッツカールトンの創業者が顧客サービスと組織づくり、リーダーについて語っている本です。
リッツカールトンは、クレド(信条)が従業員に浸透していて、お客様に感動を与えるハイレベルなサービスをすることで有名ですよね。
顧客サービスとはなにか、お客様を喜ばせることが従業員全員に一貫して行き届いているのはなぜか、どうやって組織づくりをしているのかがわかります。
★『リッツカールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』の要約★
・お客様が望んでいることを正しく理解する
・成功のための4つの重要課題に全員で取り組む
・徹底的に繰り返してビジョンを定着させる
この記事では『リッツカールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』の要約まとめを紹介します。
目次
要約①:お客様が望んでいることを正しく理解する
お客様が何を望んでいるかを正しく理解して、その期待に応えることが顧客満足度を上げます。
著者は何千件もの顧客コメントを読み、お客様が望んでいる3つのことにたどり着きました。
①欠陥のない製品やサービス
②待たされないタイムリーな対応
③親切で思いやりのある対応
重要なのは、①②が満たされていても③が満たされないと、サービスを受けた気にはならないということです。ただ機械的に処理された、人間として扱われなかったという感覚になります。
この3つにプラスして、昨今ニーズが高まっているものが2つあります。
①インディビジュアライゼーション(個別対応)
②パーソナライゼーション(名前で呼ぶ)
それぞれに合わせた対応を求める人が増え、そしてこの傾向はますます加速すると考えられます。
お客様のニーズは時代によって変化するため、継続的な調査が必要です。
たとえば、カードキーを導入した際、「カードキーは安っぽいからルームキーがいい」という声があり、導入を取りやめました。しかし、その後カードキーが一般的になると、今度は「ルームキーは紛失が心配」という声が増えて再度カードキーを導入したそうです。
お客様が望んでいることを、お客様自身が正確に言葉にできるとは限りません。
たとえば、”わが家にいるように過ごしたい”というお客様の声は何を示唆しているでしょうか。
リッツカールトンでは、幼いころ母親と過ごした潜在的な記憶に惹かれている、と推測しました。
すべてが自分のためにすぐ行われ、母親は子どもが快適に過ごせることに常に目を配り、子どもはいつ誰が細々したことをやってくれるか気にする必要がない。
そのニーズが”わが家にいるように過ごしたい”という意味ではないか。
そうだとすると、ホテルで何かを依頼したときに「上司に確認します」や「担当部署の者を呼んで参ります」といった対応ではニーズを満たせません。
そこで、すべての従業員は、お客様に満足していただくためであれば最大2000ドルまで使ってよいと決めました。
この制度は、次のように使われています。
・ハウスキーパーが部屋に置き忘れたノートパソコンをホノルルまで届けた
・結婚指輪をなくしたカップルのために金属探知機を購入して指輪を見つけ出した
お客様のニーズは現場で働く従業員が一番知っているおり、タイムリーな対応が可能です。
要約②:成功のための4つの重要課題に全員で取り組む
成功のためには4つの重要課題があります。
①既存のお客様を維持する
②新規のお客様を獲得する
③お客様にできるだけ多く利用してもらう
④以上のことをもっと深く、多く、効率よく実行できるよう、常に向上を目指す
従業員全員で課題に取り組むことで、有効な改善策やアイデアが生み出せます。
全員で取り組めていないときの危険信号に気づいたら要注意です。
危険信号①:「彼ら」という代名詞
「彼らのせいでできない」、「彼らが〇〇しないから…」などの発言があったら、それは部門間や上下の連携がうまくいっていないかもしれません。
危険信号②:「それは私の担当ではない」
私の仕事の領域をはっきり決めていてその中から出ない、ということ。
顧客サービスは全員の仕事であり、関係のない部署はありません。
顧客サービスの問題はーいや、それに限らずあらゆる問題はー発生現場から5段階も離れた場所に原因があることもある。だから、カウンターでお客様に対応する担当者が孤軍奮闘しても、問題は解決できない。問題が生じた業務に少しでも関係している全員が知恵を絞って考えなくては、真の解決には至らないのだ。
従業員全員が自分ごととして高い基準に従うには、適切な人を採用すること・そして繰り返しビジョンを定着させることが重要です。
要約③:徹底的に繰り返してビジョンを定着させる
社員が組織のビジョンにコミットするためには、社員自身のビジョンと組織のビジョンに共通点が必要です。
どんなに能力が高くても、ビジョンが一致しなければ内側からやる気を出すことができません。
だから、まずは適切な人を採用することが重要です。
どんな人がその仕事を楽しみながらうまくできるのか?をよく確認します。
たとえば、良いドアマンには屋外仕事が好き、ガーデニングが趣味という共通点があるそうです。
組織に合わずに力を発揮できなかった場合、解雇される人を責めるのは簡単です。
しかし、その人を雇った人は誰で、会社はその人が力を発揮すべきことをしたのか?を反省しなければなりません。
適切な人を雇っただけでなく、組織のビジョンや行動規範をくり返して定着させます。
入社オリエンテーションは、”私たちは誰で、私たちの夢が何であるか?そしてなぜ私たちが組織として存在するのか?”を理解させる絶好のチャンスです。
そして、入社後も繰り返しビジョンを思い出し考える機会をつくります。
リッツカールトンでは、24項目のサービス・スタンダードを毎日10分、1項目ずつ復習するそうです。
項目を復唱し、その意味やストーリーを語り意見交換をすることで、”ここではこうやる、それが当然だ”という意識を醸成します。
リーダーの仕事は、ビジョンを浸透させ従業員を動機づけすることです。
あらゆる数字は企業や従業員の成果を測定するために、誰かが工夫した道具にすぎない。マネージャーにとって最も重要な仕事は測定ではなく動機づけだ。数字を動機づけることはできない。
ビジョンをつくって飾っているだけの組織は多いのではないでしょうか。
定着するための時間、労力を割くのは長い目で見れば組織にとって大きな効果をもたらします。
『リッツカールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』の次に読むなら?
『リッツカールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『パーパス・マネジメント』
社員の幸せを大切にした経営がわかる本。
個人のパーパス(存在意義)と組織のパーパスが一致させる重要性がわかります。
『パーパス・マネジメント』の要約まとめ:仕事における幸せとは?
②『ビジョナリーカンパニーzero』
世界で1000万部以上!売れている、ビジョナリーカンパニーシリーズの最新作。
ビジョンがある組織は、チームワークが生まれ自主的にビジョンに沿った行動をします。
細かいマニュアルや規則を作らなくても、各自に判断基準のビジョンが浸透しているのです。
参考記事:【ビジョナリーカンパニーzeroの要約】起業家・リーダー必読の古典的名作
③『リーダーシップ・チャレンジ』
数千ものリーダーシップ体験の研究からわかった、リーダーシップの核となる5つの実践がまとめられています。
リーダーに必要な姿勢とマインドがわかります。
参考記事:『リーダーシップ・チャレンジ』の要約:リーダーシップの核となる5つの実践とは?
まとめ:ビジョンを自分ごとにする組織は強い
・お客様が何を望んでいるかを正しく理解して、その期待に応える
・親切で思いやりのある対応がなければサービスとはいえない
・個別対応を求める顧客が増えている
・従業員全員で成功のための重要課題に取り組む
・その仕事を楽しくうまくできる人の特徴を見極めて適切な人を採用する
・ビジョンや行動規範は徹底的に繰り返して定着させる
ビジョンをつくって終わりではなく、日々思い出す工夫をすることで細部まで一貫したサービスが実現できます。
この本を読んだ後、わたしも自分の会社のビジョンを調べました…
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