『hello,design 日本人とデザイン』はデザイン思考とは何か?が事例とともにわかりやすく解説された本。
著者はデザイン思考の生みの親とも言えるIDEO社(デザインコンサルティングファーム)でデザイン・ディレクターをしていた日本人の石川俊祐さんです。
デザインとは、”問いを設定し問いを解決する”こと。
日本ではデザイン=商品やPRに使う媒体の見た目を魅力的にするイメージがありますが、
仕事内容ではなく、人間を中心にして新しい未来を想像するスタンスであるとしています。
★『hello,design 日本人とデザイン』の要約ポイント★
・デザイン思考に大切なマインド:クリエイティブ・コンフィデンス
・デザイン思考は無意識の行動の観察から始まる
・デザイン思考を実行する組織には助け合いの文化が必要
デザイン思考の本は外国人著者の翻訳が多いですが、
こちらは日本人が書いているからか、1番わかりやすいと感じました。
日本人はデザイン思考に向いているがパッケージ化のスキルが足りない、
イタリアを目指すかイギリスを目指すか等、これからの日本への提言もおもしろかったです。
この記事では『hello,design 日本人とデザイン』の要約を紹介します。
目次
要約①:クリエイティブ・コンフィデンスとは?
デザイン思考は物事に対するスタンスの問題であり、マインドとプロセスなどの知識・スキルのどちらも必要です。
デザイン=問いを設定し、問いを解決する
まず、デザイン思考に必要なマインドはクリエイティブ・コンフィデンスです。
クリエイティブ・コンフィデンス:誰でも創造的になれると信じること
自信を持って「はい!」と答えられる人は少ないのではないでしょうか?
具体的には、自分の主観に自信を持ちます。
自分の主観とは、「わたしはこんなものがほしい」、「おもしろい」、「これが好き」という定性的な価値です。
客観的な解の強度は論拠の数で決まりますが、主観的な解の強度は自分を信じる強さ、つまり自信で決まります。
定量的なデータは客観的ですが、誰でも同じ結論にたどり着きます。
データや事象をどう解釈するかという主観、自分が感じたことが重要です。
要約②:デザイン思考は無意識の行動の観察から始まる
デザイン思考のプロセスは次の4つから構成されます。
①観察/インタビュー
②問いの設定
③ブレスト&コンセプトづくり
④プロトタイピング&ストーリーテリング
本の中ではそれぞれ詳しく解説されていますが、ここでは観察/インタビューのプロセスを紹介します。
①観察/インタビューでは、無意識のちょっとした行動を観察します。
無意識にしていることを意識することで、気づいていなかった快/不快やニーズがわかるかもしれません。
”keep the change”という口座開設キャンペーンが事例として紹介されていました。
おつり(change)の端数をチップや募金に入れる行動から、おつりが自動で貯まる口座を考えたそうです。
(7ドル80セントの支払い⇒クレカで8ドルの引き落とし+20セントは自動で口座に貯まる)
”ぴったり払いたい”という無意識のニーズを発見したことで、貯金が苦手な層の心を掴みました。
また、エクストリームユーザー(極端なユーザー)に注目することで、
今まで見過ごされてきた使い方や特徴がわかるかもしれません。
商品が好きなエクストリームユーザー⇒開発者も気づいていない使い方や特徴
商品を頑なに使わないエクストリームユーザー⇒どうしても使いたくない特徴
プラスにせよ、マイナスにせよ、強い感情が生まれるところは観察する価値があります。
アナロジー思考=類推とは、抽象レベルで共通点を見つけること。
緊急治療室の問題解決のためにサーキットのピットインを観察したのは、
一刻一秒を争う場所という類推です。
抽象化してストックしておくことで、問題解決のときに何を観察すればよいかの選択肢になります。
要約③:デザイン思考を実行する組織には助け合いの文化が必要
デザイン思考を実行するのに欠かせないのはコラボレーションです。
IDEOには”いかなる個人でも全員の方が賢い”という言葉があるのだとか。
他者の脳やバックグラウンドを借りて助け合うことで、
衆知を活かした多様性のあるアイディアが生まれます。
デザイン思考を実践するためのポイントは次のとおりです。
・個々人が何かのプロフェッショナルである/得意分野がある
・チームビルディングの時間を取る
・全員で全フェーズを担当し、当事者意識を持つ
・存在意義を共有したチームが権限を持って動く
助け合いといっても、いつも助ける人/助けられる人が決まっていては疲弊してしまいます。
それぞれが得意分野を持ち、違う領域の知見を持ち寄るからこそコラボレーションが生まれるのです。
また、ただ人を集めただけではチームになりません。
価値観やプロジェクトの目的共有など、チームビルディングの時間を確保します。
分業制になると当事者意識が薄れます。
存在理由、なぜこのプロジェクトを行うのか(Why)を共有して全フェーズに関わり、
チームが権限を持って動くことでデザイン思考が機能します。
著者の海外・日本でのデザイナーとしての経験・事例や、デザイン思考と原体験なども興味深く読めました。
特に子どもの注射体験の恐怖をいかに減らすかという事例は、デザイン思考の真骨頂のように感じます。
『hello,design 日本人とデザイン』を無料で読む方法
『hello,design 日本人とデザイン』は耳で聴けるオーディオブックがあります。
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『hello,design 日本人とデザイン』の次に読むなら?
『hello,design 日本人とデザイン』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『whyから始めよ』
『whyから始めよ』は『hello,design 日本人とデザイン』の中でも紹介されています。
チームが機能するのは、商品の質ではなくwhy(なぜそれをやるのか)を共有しているからです。
アップル社やライト兄弟、キング牧師など、whyで人を惹きつけた例がたくさん載っています。
参考記事:『whyから始めよ』の要約と感想:インスパイア型リーダーは内から外へ一貫性がある
②『デザイン思考が世界を変える』
デザイン思考の生みの親であるIDEOのCEOの著作。
重複する部分もありますが、デザイン思考のプロセスをくわしく知りたい人におすすめです。
参考記事:『デザイン思考が世界を変える』の要約:イノベーションの新しいアプローチ
③『自分が欲しいものだけ創る!』
課題設定のユニークさやN=1(たった1人のニーズから始める)ところに、
デザイン思考の共通点がありました。
参考記事:『自分が欲しいものだけ創る!』の要約:スマイルズ流マーケティング3つのポイント
まとめ:デザイン=”問いを設定し問いを解決する”
・デザイン思考は人間中心に新しい未来を想像する姿勢である
・自分の主観(いいね!、おもしろい!など)に自信を持つ
・無意識のちょっとした行動を注意深く観察する
・デザイン思考を実行できる組織には助け合いの文化がある
・それぞれの得意分野を持ち寄ってシェアする
・プロジェクトを行う理由(Why)を共有する
デザイン思考の事例が多かったので、ただの理論ではなく具体的な適用例がわかりました。
デザイン思考の1冊目におすすめです!
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