『数学的思考トレーニング』は、数学的な思考法で正解のない問題に自分なりの答えを出す方法をトレーニングする本です。
48問のトレーニング問題にしっかり取り組むと、どんな難問でも数学的に定義して分解すれば考えられる!という自信がつきます。
数学的思考は次のように定義されています。
数学的思考=定義 × 分析 × 体系化
数学の知識は必要ありません。
どこから手をつけていいかわからない問題に取り組む人は、
定義・分析・体系化によって自分の答えをつくるための手がかりがわかります。
問題解決のヒントになる本でした。
この記事では『数学的思考トレーニング』の要約まとめを紹介します。
目次
要約①:定義すると本質が見える
数学は定義からはじまります。
定義があいまいなままでは人によって理解が変わり、
同じテーマを話しているようで実は議論がかみ合っていないことも起こるかもしれません。
幸せとは?成功とは?自分に合った仕事とは?など、
正解がない問題では、定義があいまいなものを扱うことが多いですよね。
『数学的思考トレーニング』での”定義”の定義は次のとおりです。
物事を定義するとは、「そうであるもの」と「そうでないもの」をはっきり分類するルールを明文化することである。
〇〇を定義しようとすると、〇〇にあるものと〇〇にないものを考えることになります。
〇〇を本質的に〇〇にしている条件・ルールを考えるのです。
根本的に問題を考え直したいときは、定義から考え直すと発想の転換ができます。
定義を変えるのはまさにリフレーミングです。
リフレーミング:物事の捉え方を変えて別の視点を持つ
そして行き詰まったら定義を考え直してみると新しい発想が浮かぶかもしれません。
要約②:分解と比較で分析する
定義をしたら、分析をします。
分析は分解と比較というプロセスで構成されます。
分析=分解+比較
取り扱えるサイズまで小さくしてから比較することで、
問題をよりはっきりした姿にしましょう。
分解:細かく分けて簡単にすること
哲学者のデカルトは「困難は分割せよ」という言葉を残しています。
分解するときはできるだけ細かく・MECE(もれなくダブりなく)で行いましょう。
たとえば、”貯金ができない”という問題を分解するなら、
自分が何にお金を使っているのかをできるだけ細かく分解します。
”憧れの人みたいになりたいな”と思うなら、憧れの人の魅力を分解すれば、
自分に足りないこと・どうすれば憧れの人に近づけるかのヒントになるでしょう。
構成要素に分解してから比較することで、より深い分析ができます。
比較とは、差をはっきりさせる機能である。
構成要素のどこにどのくらい差があるのかをはっきりさせることで、
問題解決のヒントが見つかるでしょう。
比較するときは次の2点に気を付けます。
・比較が妥当か
・データの定義を確認する
なんでも比較すればよいということではなく、そもそも意味がある比較なのかを確認します。
母体数やデータ取得期間が十分とはいえないのに安易に比較することは、
間違った結論を導くかもしれません。
また、データの定義を確認する習慣をつけましょう。
特に割合を示す場合、分母のデータの定義でいかようにも数字を見せられるので注意が必要です。
要約③:体系化とは説明できるようにすること
体系化とは誰かに説明できるようにすることであり、
構造化とモデル化の2種類があります。
「こういう構造になっていますよ」(構造化)
「こういう関係になっていますよ」(モデル化)
構造が似ているものを見つけるのはアナロジー(類推)であり、
抽象レベルでマネして新しいアイディアを生むことも可能です。
たとえば、Ubereatsと婚活マッチングアプリは”オンラインで需要と供給をマッチングする”という構造では同じと言えるかもしれません。
Netflixと睡眠はどちらも夜の時間を奪うという意味で同じですね。
アナロジー思考は「AはBのようなもの」というたとえ話を考えることでトレーニングになります。
モデル化は相互関係を定式化したものであり、何が関連付けられるかを考えることです。
かきごおりの販売数には気温が関連づけられそうですし、
もっと抽象的に”部下の仕事の質”には何が関連づくかが定式化できれば、
どう働きかけるのがよいか打ち手が見えやすいくなります。
『数学的思考トレーニング』の問題に挑戦!
『数学的思考トレーニング』には48問のトレーニング問題がありますが、
そのうち2問を取り上げて自分なりの答えを考えてみました。
⇓定義の自習問題
「家事」とは何か、定義してください。
なぜあなたは家事をするのでしょうか?
そういうものだと思考停止になるのではなく、そもそもから考えてみてください。
例えば、その家事は本当にあなたがしなければならないことでしょうか?
わたしなりの答えを考えてみました。
家事=家族が健康で快適に過ごすために必要な衣食住にかかわる作業。
健康で快適に過ごせれば作業自体は目的でないので、便利な家電製品を使ったりお金を払って家事代行サービスを使ったりしてもよい。
ただし、子どもが自分自身で将来健康で快適に過ごせるように、訓練する場でもある。
家事を”嫌だけどやらないといけないこと”や”家にいる時間が長いほうがやるべきこと”と定義すると、家事にあまりやる気が持てません。
健康で快適に過ごすこと、子どもに家事スキルを身につけさせる場という目的を思い出すことで、ポジティブにリフレーミングできた気がします。
⇓モデル化の演習問題
「課題へのモチベーション」はどんな式で表現できるでしょうか?
こちらも、わたしなりの答えを考えてみました。
課題へのモチベーション=課題のおもしろさ × 得意 × 報酬
課題のおもしろさ:思わず「解いてみたい!」と感じる
得意:課題が解けそうである、得意な分野である
報酬:課題を解いたらほめられる、能力が上がる等良いことがある
わたしのモチベーションが上がらないときは、どれかが足りていないのだとわかります。
モチベーションを持つ要因がわかるかもしれませんね。
『数学的思考トレーニング』の次に読むなら?
『数学的思考トレーニング』とあわせて読みたい本を紹介します。
①『メタ思考トレーニング』
同じPHP新書の思考トレーニングの本です。
例題を考えながらwhy型思考とアナロジー思考のトレーニングができます。
参考記事:メタ思考トレーニングを要約!Why型思考とアナロジー思考の例題が満載
②『地頭力を鍛える』
仮説思考、フレームワーク思考、抽象化思考をフェルミ推定で鍛える本。
地頭力が良いとはどういうことか?がわかります。
参考記事:『地頭力を鍛える』の要約まとめ:地頭力に必要な3つの思考とフェルミ推定
③『自分の意見で生きていこう』
自分の意見を表明するための考え方として、数学的思考トレーニングが役に立ちます。
正解がない問題に自分の頭で考え、ポジションを明確にする大切さがわかります。
参考記事:『自分の意見で生きていこう』の要約まとめ:正解がない問題に自分で考えた意見を持つ
まとめ:数学的思考で自分の正解をつくろう
・数学的思考=定義 × 分析 × 体系化
・定義とは「そうであるもの」と「そうでないもの」を考えること
・定義から考え直す(リフレーミング)ことで新しい発想ができる
・できるだけ細かくMECEでわけて問題をかんたんにする
・構造化/モデル化で説明できるようにする
・数学的思考で問題を考えてみよう
数学が得意だった人もそうでなかった人も、
定義・分析・体系化でつかみどころのない問題の糸口がつかめます。
ぜひ自分の答えをつくってみましょう!
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