『問いかけの作法』は問いかけの技術が学べる本です。
質の高い問いかけは、チームの魅力と才能を引き出すことができます。
著者はファシリテーションの方法論を研究している安斎勇樹さんです。
前作『問いのデザイン』でも問いをテーマにしていますが、
今回はよりビジネスの会議の場で実践しやすい形になっています。
参考記事:問いのデザインの要約まとめ:答えのない課題に取り組むときに視野を広げる1冊
この記事では、『問いかけの作法』で紹介されている問いかけのサイクルモデルの概要を紹介します。
<『問いかけの作法』:問いかけのサイクルモデル>
・見立てる:チームを観察して意味づけする
・組み立てる:こだわりを深掘り/とらわれを揺さぶる
・投げかける:相手に効果的に伝えるレトリックとアフターフォロー
『問いかけの作法』で学んだことを一度に実践するのはたいへんですが、「今日はこの技術を使ってみよう!」と少しずつ実践すれば着実に会議の質が上がっていくはずです。
自分が問いかける場面を想定して読むことができます。
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目次
『問いかけの作法』の要約:問いかけのサイクルモデル
『問いかけの作法』で紹介されている、
問いかけのサイクルモデルは”見立てる⇒組み立てる⇒投げかける”から成ります。
<『問いかけの作法』:問いかけのサイクルモデル>
・見立てる:チームを観察して意味づけする
・組み立てる:こだわりを深掘り/とらわれを揺さぶる
・投げかける:相手に効果的に伝えるレトリックとアフターフォロー
1つずつ詳しく紹介します。
見立てる:チームを観察して意味づけする
見立てるとは、チームメンバーの言動を観察して意味づけし、仮説を立てることです。
大切にしたい価値観(=こだわり)はどこにあるのか、
思考を狭めている固定観念(=とらわれ)があるか等を気を付けて観察します。
コミュニケーションの仕方も観察するのですね。
ただ、漠然と観察するだけでは情報量が多すぎて、
どの情報に意味づけをしたらよいかわかりません。
特に観察のヒントとなる着眼点が2つ紹介されています。
・評価する言葉 :評価の裏に、評価の観点や価値観が表れている
・未定義の頻出ワード:定義があいまいなままチームで使われている言葉
良い/悪い、正しい/間違っている等と評価する言葉の裏には、
評価基準や評価の観点、発言者の価値観が隠れています。
どちらにも良いところ/悪いところがあり、明確な正解がないテーマが多いですよね。
チームメンバーがどんな観点・価値観を持っているかを探り出し、
その価値観が大切にすべきこだわりなのか、捨てるべきとらわれなのかを考えます。
また、チームメンバーがよく口にする”未定義の頻出ワード”にも注意しましょう。
そのワードの定義にスポットライトを当てて、
みなの共通認識を確認したり、本当に大切にすべき言葉なのかを確認したりします。
本の中では、”利便性”にとらわれているチームミーティングの例があります。
利便性が高い商品にとらわれていたところ、
・本当に利便性が必要なのか
・利便性が低くても愛される商品とはどんなものか
など、みなが当然のように使っていた”利便性”を問い直しています。
組み立てる:こだわりを深掘り/とらわれを揺さぶる
”組み立てる”では、3つのステップがあります。
未知数を定める:何を明らかにするか決める
⇓
方向性を調整する:主語、時間軸
⇓
制限をかける:形容詞を足す、〇年後、3つ挙げるなら?など
まず、会議で何を明らかにするか(未知数)を決めます。
方向性を調整するとは、抽象度やレベル感を揃えるために問いかけを工夫することです。
具体的には主語と時間軸が重要です。
主語 :あなた/わたしたち/会社/ユーザー/顧客/社会
時間軸:過去/現在/未来
チームメンバーがどこか他人事である/自分事で考えてほしいときは、”あなた”を主語にします。
逆に、自分の仕事や部署を超えて視野を広げてほしいときは、顧客などの第三者目線や社会を主語にすると良いでしょう。
時間軸は現在になりがちなので、過去や未来の視点を意識して取り入れます。
過去は歴史や経験、未来はビジョンや願望にフォーカスできる時間軸です。
”制限をかける”ではメンバーの意見を出しやすくするために適度な制約を設けます。
メンバーの意見の方向性・レベル感を揃えることができます。
”会社の生産性を上げるためにできることは?”という問いかけでは、
個人の努力レベル、採用や評価など人事制度のレベル、IT化など運用面のレベルなど、
人によって思い浮かぶ意見のレベルはさまざまです。
また、すぐ実現できるものか数年単位で取り組むものかという時間軸の基準も人によります。
投げかける:相手に効果的に伝えるレトリックとアフターフォロー
”投げかける”では、組み立てた問いかけを相手に適切に伝えます。
伝えるなんて誰でもできる、誰がやっても同じと思いませんか?
しかし、相手の注意を引いて問いかけに引き込むのは会議の成果に大きく左右します。
具体的には、予告をする、共感を入れてから揺さぶりをかける、余白をつくる等のテクニックで注意を引きます。
『問いかけの作法』では、問いかけ=ライトを当てると捉えています。
見立てる・組み立てるステップではどこにライトを当てるかという観点でしたが、投げかけるではライトの光の量や光のするどさ・やわらかさを調整して印象を操作する方法です。
倒置法や誇張法などのレトリックで、印象を調整します。
そして、投げかけた後はアフターフォローが必要です。
意見が出ないときは足場かけとして意図を補足したり、ハードルを下げたりします。
個人的に、質問に向き合ってくれた姿勢にポジティブなフィードバックを返す点がとても参考になりました。
問いかけの答えの良し悪しを評価するのではなく、答えてくれたこと自体にコメントします。
「そういう意見もありますね」、「言葉にしてくれてありがとうございます」など、
ひと言挟むことで問いかけに向き合うモチベーションが上がるそうです。
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『問いかけの作法』の次に読むなら?おすすめ本3選
『問いかけの作法』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『問いのデザイン』
『問いかけの作法』の前作、『問いのデザイン』はワークショップや会議を問いで設計していく本です。
”問いで認識の固定化・関係性の固定化を壊す”ことで、
会議や研修の生産性や理解度、出てくる答えの創造性が上がります。
参考記事:問いのデザインの要約まとめ:答えのない課題に取り組むときに視野を広げる1冊
②『ファシリテーションの教科書』
リーダーに必須スキルのファシリテーションスキルが体系的に学べる本です。
ファシリテーションによって参加者の腹落ち感が得られるための準備がわかります。
参考記事:『ファシリテーションの教科書』の要約:主体的に行動するための腹落ち感が重要
③『論点思考』
真に解くべき問題とは何か?与えられた課題は正しいのか?を考えることが、
事例とともにわかります。
本質的な問題に迫るには、問いかけが有効です。
参考記事:『論点思考』の要約まとめ:真に解くべき問題をどう設定するか【問題解決の最上流】
まとめ:『問いかけの作法』でチームの力を引き出す
・問いかけの作法を学べばチームの魅力や才能を引き出すことができる
・問いのサイクルモデル:見立てる⇒組み立てる⇒投げかける
・”見立てる”では評価する言葉と未定義の頻出ワードに注意して観察する
・”組み立てる”では未知数を設定し、主語と時間軸を調整する
・適度な制限をかけると答えやすくなり、答えのレベル感がそろう
・会議開始5分に参加者の注意を引くことが重要
・投げかけた後の反応をみてアフターフォローする
・問いかけに向き合う姿勢にポジティブな反応を返す(答えの評価はしない)
1回読んだだけでは使い切れないくらい、たくさんのテクニックが紹介されています。
少しずつ取り入れて会議の質を上げていきたいです。
知的生産性が重要になる時代に、問いかけの作法は必須スキルです。
ぜひ読んでみてくださいね。
★今回紹介した本★
★前作の『問いのデザイン』もおすすめ★
参考記事:問いのデザインの要約まとめ:答えのない課題に取り組むときに視野を広げる1冊
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