『空気が人を動かす』の要約まとめ:人を変えるのではなく空気を変えるマネジメント

『空気が人を動かす』の要約まとめ:人を変えるのではなく空気を変えるマネジメント

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『空気が人を動かす』は組織変革における空気の重要性と変え方がわかる本です。

 

人を変えるのではなく、空気を変えることで組織やチームのパフォーマンスを上げます。

特に空気を気にしやすい、同調圧力が強い日本人のチームを率いるにはとても大切な観点です。

★『空気が人を動かす』の要約ポイント★

 

・人ではなく空気を変える

 

・締まった空気、当たり前のことを当たり前にやる空気をつくる

 

・継続的な発信/ティーチングで空気を変える

コーチングや1on1をしてもチームの空気が変わらないと悩むリーダーにぴったりの内容です。

この記事では『空気が人を動かす』の要約まとめを紹介します。

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要約①:人ではなく空気を変える

 

組織は人がつくるものだから、人を変えれば組織が変わると考える人が多いです。

しかし、どんなに人の意識を変えても、現場全体を覆う空気が良くないと成果は上がりません。

 

空気は人のパフォーマンスに大きく影響します。

スポーツでは、「流れが止まらない」「チームの空気が思い」と表現したり、大舞台で高いパフォーマンスを発揮する/空気に飲まれて普段では考えられないミスをしたり等があります。

 

主体性がないと評価されていた人が転職して環境が変わると評価がガラリと変わる等、

どんな空気の中にいるかは重要です。

空気によって1+1が2以上になることもあれば、

1.5や足を引っ張り合って0.8になることも…

 

なぜ空気の影響が大きいかと言えば、ミラーニューロンの影響があります。

ミラーニューロン:他人のしぐさや行動をマネして学ぶ

緊張や不安が伝染するのもミラーニューロンが原因だと言われています。

 

表に出ていない価値観が伝わっていくので、空気が重要なのです。

特に日本はハイコンテクストな文化であり、言語化されていないことを補完しながら理解します。

ハイコンテクスト(高文脈):言わなくてもわかる、空気を読む

 

ローコンテクスト(低文脈):言わないことはわからない、はっきり言う

”空気を読む”というのは日本人らしいですよね。

 

⇓日本のビジネス環境における文化は『異文化理解力』が参考になります。

参考記事:『異文化理解力』の要約:カルチャーマップで自分と相手の文化を知る

要約②:締まった空気をつくる

 

『空気が人を動かす』では、空気を4種類に分けています。

目指すべき良い空気は締まった空気です。

・締まった空気:適度な緊張感があり、間違いを指摘し合える

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

・ゆるんだ空気:緊張感がなく、指示が通らない

 

・縛られた空気:専制的に外部から締めていて、意見が言えない

 

・ほどけた空気:ゆるみすぎるor縛り過ぎて切れる/モラルハザード

締まった空気から緊張感がなくなると、指示系統が曖昧なゆるんだ空気になっていきます。

締まった空気に戻すために適度な緊張感は必要です。

 

しかし、有無を言わさない専制的なリーダーシップに頼ると、

今度は意見がまったく言えない縛られた空気になる恐れがあります。

 

ゆるんだ空気を放置したり、過度な緊張感を与え続けると、

チームとしてバラバラ=ほどけた空気になってしまうかもしれません。

公然と批判や否定的な意見を述べる人が増えたり、

まじめに仕事に取り組まないモラルハザードが起きます。

 

良い空気が変わるサインを見つけたら、早急に手を打ちます。

【良い空気が変わるサイン】

 

・チーム特有の規律/価値観が守られない

 

・倫理に反する行動

代替わりして創業者の理念や価値観が薄れる、

人数が増えて社会的手抜きが起こる、外から新しい価値観が持ち込まれる

等のタイミングでは注意が必要です。

社会的手抜きとは?

集団で作業するときに人数が増えることで、1人当たりの生産性が落ちる現象。

「自分だけはサボってもいいか」と思ってしまうのはやる気の問題ではなくそういうものです。

 

後付けで言い訳をする人がいたり、「真面目にやるだけムダ」と発言する人がいたりすると、空気がどんどん悪くなります。

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要約③:継続的な発信/ティーチングで空気を変える

 

良い空気をつくるにはどうしたら良いでしょうか。

それは、組織の6割にあたる可燃人を動かすことです。

自燃:みずから燃えてエネルギーを分け与える

 

可燃:燃えている人のそばで燃える

 

不燃:燃えない

この分類は稲盛和夫さんの『生き方』でも紹介されていました。

参考記事:稲盛和夫さん『生き方』の要約まとめ:人生の結果=考え方×熱意×能力で決まる

 

組織の2割は自燃、6割は可燃、2割は不燃であり、

6割を良い空気で動かすことが組織のパフォーマンスに直結します。

2割の自燃の人も、空気が悪ければ諦めて組織を離れてしまうでしょう。

それは組織にとって損失ですね。

 

良い空気をつくる具体的な方法を2つ紹介します。

①空気に向かって発信し続ける(下地づくり)

 

②ティーチング(背中を押す)

 

空気に向かって発信し続ける(下地づくり)

声かけでの承認や明確なメッセージを繰り返し伝えることで、

空気を改善する下地づくりをします。

・あいさつや雑談など頻繁に声かけする(存在の承認)

 

・朝礼やメールなど1対多で明確なメッセージを発信

 

・何度も同じメッセージを伝える

大切なのは、省略せずに明確なメッセージを発信しつづけることです。

 

スローガンなどぼかし表現を使わず、

4W2H(when/where/who/what/how/how much)で具体的に示します。

 

whyがないのは、なぜ?と問うことで相手に作話させてしまう恐れがあるからです。

作話:あとづけの言い訳、都合よく話をつくる

本人に悪気はなくても、一度言い訳を口にしてしまったら一貫性の法則で自分を正当化しようとしてしまいます。

 

なぜ?と聞くと相手に考えさせられるメリットがありますが、特に理由がないことを深掘りするとかえってネガティブな意見に固執してしまうかもしれません。

 

ネガティブな行動を深掘りするより、

当たり前に守るべき価値観を繰り返し浸透させましょう。

 

ティーチング(背中を押す)

ティーチングは守破離の守を教えるイメージであり、

あるべき姿と現状、チームにおける役割を伝えます。

理想と現実のギャップを認識することで謙虚さと問題意識が生まれ、

理想に向かう行動を後押しできます。

 

ティーチングをストレスなく行うコミュニケーションのコツとして、

マイフレンド・ジョンがとても勉強になりました。

マイフレンド・ジョン:「友人のジョンが、~」と第三者の話として伝える

第三者の話として伝えることで信ぴょう性が増すテクニックです。

 

「自分もこの話からこんな気づきがあった」と伝えることで、

教える側と教えられる側ではなく、学びを共有する同士の関係性が築けます。

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『空気が人を動かす』を無料で読む方法

 

『空気が人を動かす』は耳で聴けるオーディオブックがあります。

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『空気が人を動かす』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『空気が人を動かす』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『ウィニングカルチャー』

 

『ウィニングカルチャー』は勝ちぐせのある組織文化づくりがわかる本。

著者はラグビーの監督をされていた方。

 

組織の暗黙知、共有する価値観をどう変革するかがテーマです。

参考記事:『ウィニングカルチャー』の要約:組織文化を変革するためには?

②『組織が変わる』

 

組織が抱える複雑な問題における対話の重要性がわかります。

 

ゆるやかに悪化していく業績や組織の雰囲気をなんとかしたい!

と考えるリーダーやマネジメント層に役立つ1冊。

参考記事:『組織が変わる』の要約:2on2ミーティングで問題を外在化する

③『異文化理解力』

 

さまざまな文化を持つ人が一緒に働く上で起こる問題とその解決のヒントがわかる本。

 

外国人だけでなく、同じ日本人でも価値観は多様化しています。

組織として1つのビジョンを共有するために、価値観が違う人と協働する方法が学べます。

参考記事:『異文化理解力』の要約:カルチャーマップで自分と相手の文化を知る

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まとめ:空気を変えれば人は動く

・人を変えるより空気を変える

 

・はっきりと言葉に出さない価値観も空気で伝わる

 

・目指すのは締まった空気(適度な緊張感があり、間違いを指摘し合える)

 

・空気を変えると組織の6割(可燃人)が変わる

 

・空気に向かって望ましい行動や承認を繰り返し発信する

 

・マイフレンド・ジョンのテクニックで学び合う仲間の関係性をつくる

空気を気にしやすい日本人に効果的で実践しやすい方法でした。

自分の職場やチームの空気をチェックして改善するのにおすすめです。

 

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