『マーケット感覚を身につけよう』は、社会派ブロガーとして有名なちきりんさんの著作。
インターネットにより市場原理で動く領域が増える中で、
マーケット感覚=価値を認識する力の重要性と鍛え方がわかる本です。
★『マーケット感覚を身につけよう』の要約ポイント★
・マーケット感覚とは”価値を認識する力”
・世界はどんどん市場化している
・自分の基準で価値を判断してマーケット感覚を鍛える
これから商品・サービスを売りたい人はもちろん、
働き手や結婚相手としての自分はどこでよく売れるのか考えたい人にもおすすめです。
変化を怖れるマインドが一番怖いとわかるからです。
でも、マーケット感覚を鍛える方法もあわせてわかりますよ!
この記事では『マーケット感覚を身につけよう』の要約と感想を紹介します。
目次
『マーケット感覚を身につけよう』の要約
『マーケット感覚を身につけよう』の要約ポイントは次のとおりです。
★『マーケット感覚を身につけよう』の要約ポイント★
・マーケット感覚とは”価値を認識する力”
・世界はどんどん市場化している
・自分の基準で価値を判断してマーケット感覚を鍛える
1つずつ詳しく紹介します。
マーケット感覚とは”価値を認識する力”
マーケット感覚とは、ひと言で表すと”価値を認識する力”です。
マーケット感覚:価値を認識する力
ちょっとピカピカした石くらいの存在でしょう。
マーケット感覚のマーケットとは、買い手と売り手をマッチングさせて価値を交換する場所です。
買い手と売り手の気持ち・動機を理解し、提供価値を見つけ出すことができれば、
マーケット感覚があると言えます。
提供価値はマーケティングでいうところのベネフィット(benefit)です。
たとえば高齢の祖母にとってタブレットのベネフィットは、
孫の動画が見られることかもしれません。
ベネフィット=タブレットから得られる価値は感じてもらえないでしょう。
マーケット感覚がある人・ない人の例として、資格取得が挙げられています。
マーケット感覚がない人:人気の資格を取ったけど思ったより仕事がなかった
マーケット感覚がある人:市場でニーズがあるかを確認してから資格を取る
インターネットが普及したおかげで、ニーズを調べるのはかんたんになってきました。
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスを使えば、
今必要とされているスキルと相場がひとめでわかります。
世界はどんどん市場化している
マーケット感覚が重要なのは、世界がどんどん市場化しているからです。
買い手と売り手のバランスで価値が決まる領域が増えています。
市場ではマーケット感覚を持っている人が当然有利です。
ビジネスやキャリアにおいて望む結果を手に入れやすくなります。
なぜ市場化が進んでいるかといえば、インターネットの発展が大きいでしょう。
まず、物理的に離れている買い手と売り手がマッチングできるようになります。
クラウドソーシングで場所を問わずに仕事を請け負う、
遠い地方の特産品がどこでも注文できる等、
インターネットがなければ実現しなかった価値の交換も可能になりました。
また、日本だけでなく世界とかんたんにつながれるので、
日本が規制で守ってきた領域もグローバル化が進んでいきます。
マーケット感覚がある人にとっては市場が広がってチャンスが増えますが、
マーケット感覚がない人にとっては脅威かもしれません。
<市場の統合の例>
・物理的にお客さんが来店できる範囲でNo.1の店でいればよかったのに、ネット通販で全国的に有名な店と戦わなければならない。
・今までの就職・転職活動のライバルは日本人だったのに、外国人の求職者やクラウドソーシングでの業務委託も競合になってしまう
など
自分の基準で価値を判断してマーケット感覚を鍛える
マーケット感覚はどうやって鍛えればよいのでしょうか。
『マーケット感覚を身につけよう』では5つの方法を紹介しています。
①プライシング能力を身につける
⇒自分の基準で価値をつける
②インセンティブシステムを理解する
⇒言動の裏の理由を考察/欲望センサーの感度を上げる
③市場に評価される方法を学ぶ
⇒とりあえずやってみて市場の評価をもらう
④失敗と成功の関係を理解する
⇒失敗は学びの機会であり成功の途中にあるものと心得る
⑤市場性の高い環境に身を置く
⇒価値交換の現場/インセンティブが直接働く場所を体験する
特に重要だと感じたプライシング能力について、詳しく紹介します。
プライシング能力:自分の基準で価値をつけること
”自分の基準で”というのが難しいところ。
売り手がつけた価格や値引き、類似商品やサービスの相場はあくまで他人基準です。
「わたしにとってこの商品、このサービスはいくらの価値があるか?」
と自分の価値判断基準を明確にすることがマーケット感覚を鍛えることになります。
そのためには、価値は一定ではない/買い手によって価値は変わるという認識を持ちましょう。
何に価値を感じるかは買い手の価値観や置かれた状況によって変わります。
たとえば家事代行サービスは、家事が苦手なワーキングマザーには価値が高いサービスかもしれません。しかし、もともと家事が好きで苦ではない専業主婦にとっては、割高に感じる可能性もあります。
プライシング能力を鍛えるために、自分が売り手側になってみるのも効果的です。
メルカリで物を売ってみたり、ココナラで得意なことを売ってみたり、
自分が思う価値と購入側が感じる価値にどのくらい差があるかを実体験してみましょう。
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『マーケット感覚を身につけよう』の感想
『マーケット感覚を身につけよう』を読んで個人的に心に残ったポイントを紹介します。
ここで重要なのは、その説明の合理性ではありません。説明を聞く前から、顧客側が「この人は、私が信じられる人だ」「この人は、自分に合う商品を理解してくれている」と感じていることが重要なのです。
ジャパネットたかたのように、紹介する商品を絞ってもなぜ売れるのか?という考察の部分です。
「これからは信用の時代」や「何を買うかではなく誰から買うかの時代だ」等とよく聞きます。
信頼が前提にあって、自分の好みに合ったものを提供してくれる価値なのだと感じました。
という価値が高いのかも。
値札がなくても、価値あるものは自分で評価・判断できる能力を身につけないと、ごく身近に大きな価値の源が転がっていても、それに気づくことができません。
何か買うときにまず値札を見てしまう人はいませんか?(わたしです)
値札を見る前に、”自分にとっては〇〇円の価値”と考えてみます。
大きくとらえれば、自分で値札をつけられない=他人軸で生きていると感じました。
値札は他人の評価であり、自分にとって何が大切か?は自分で決めるのが主体的に生きる態度だと思います。
人はどんなときに、どんなモノに、いくらのお金を出すのか。そのお金と交換される価値はどんな価値で、それを欲しがる人のインセンティブシステムはどういう仕組みなのか。「お金がチャリンと鳴る瞬間」を日々見ることができ、それによってマーケット感覚が身につくのです。
マーケット感覚を鍛える方法の⑤市場性の高い環境に身を置くの部分です。
わたしは学生時代に全国チェーンの飲食店でアルバイトし、
何時にどんな人がどんな感じで来るかが全然違っておもしろかった記憶があります。
子どもがアルバイトを始めるときに、この部分の話をしようと思いました。
『マーケット感覚を身につけよう』の次に読むなら?
『マーケット感覚を身につけよう』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『経済は感情で動く』
人間が感じる価値は相対的であり、周りの状況や選択肢の見せられ方で変わります。
価値を認識するには、人の感情を理解することが必要です。
参考記事:『経済は感情で動く』の要約まとめ:合理的な判断は意外と難しい【行動経済学】
②『プロセスエコノミー』
商品やサービスの物質的なクオリティが変わらなくなるにつれて、
人間理解や共感をベースに経験価値が選ばれるようになります。
レストランで完成した料理を食べるより、バーベキューで一緒につくりたい!
そんな時代の変化が感じられる1冊です。
参考記事:『プロセスエコノミー』の要約まとめ:自分のこだわりを持って共感する理由をつくる
③『デザイン思考が世界を変える』
顧客が直感的に価値を感じやすいサービスとは、深い人間理解がベースにあります。
デザイン思考で人間がどう感じてどう行動するかを観察することで、
どこに価値があるのかというマーケット感覚が鍛えられるでしょう。
参考記事:『デザイン思考が世界を変える』の要約:イノベーションの新しいアプローチ
まとめ:マーケット感覚はこれからの必須スキル
・マーケット感覚とは価値を認識する力のこと
・買い手と売り手の動機、買い手に提供する価値を理解する
・インターネットにより市場化が進んでいる⇒マーケット感覚の重要性が増す
・マーケット感覚を鍛えるには自分の基準で価値を判断する
・買い手によって商品やサービスに感じる価値は変わる
世の中の流れとこれから必要なスキルがわかりやすくまとめられていました。
時代の変化をワクワク楽しめるか、安定が脅かされる恐怖と感じるのか。
変化は避けられないので、どうせならワクワク楽しんでマーケット感覚を鍛えたいです。
★今回紹介した本★
★ちきりんさんの書籍は4部作だそうです★
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