『パッション・パラドックス』の要約まとめ：良い／悪い情熱とは？

『パッション・パラドックス』は情熱とのつき合い方がわかる本。

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情熱というと良いもののように感じますが、燃え尽きや行き過ぎた成果主義など、負の側面もあります。

良い情熱を育み、長続きさせるコツや考え方を学び、本当にやりたいことに良い情熱を注ぎましょう。

★ 『パッション・パラドックス』の要約ポイント★

・良い情熱／悪い情熱とは？

・情熱は見つけて育てるもの

・自己認識を高めて情熱をコントロールする

情熱を好ましい方向にむけたり、行き過ぎたときはストップをかけたり、自分でコントロールするのが大切だとわかりました。

この記事では 『パッション・パラドックス』の要約を紹介します。

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要約①：良い情熱／悪い情熱とは？

情熱には良い面と悪い面があります。

良い情熱⇒調和的情熱

悪い情熱⇒強迫的情熱／恐怖心による情熱

調和的情熱とは、本来すべきことを正しい理由でできている状態のことです。

この情熱を発揮しているときは熟達思考で物事を捉えています。つまり、プロセス全体に対して熱意を持ち、結果ではなく成長を目指して没頭しています。

＜熟達思考の特徴＞

・内面から湧き上がる意欲を抱く

・結果よりもプロセス

・順位よりも成長

・失敗を受け入れる

・忍耐力をはぐくむ

・目の前のことに集中する

それに対して悪い情熱とは、強迫的情熱や恐怖心による情熱です。これらの情熱は短期間しか続かず、燃え尽きたり精神的に追い詰められたりする副作用があります。

強迫的情熱の特徴は、自分でコントロールできないもの（成績、順位、数値目標など）に自己評価を結び付けてしまうことです。そうすると、自己評価が不安定で脆弱なものになります。

目標の追求にのめり込むあまり、それが自分という人間の存在理由になり、最初にその目標を追求しようと思ったときの内面の動機を見失ってしまう。すると、その人は外的な報酬と評価に突き動かされて行動するようになる。目標を達成すればそうした報酬や評価が得られると思い、手段を選ばずに目標を追いかけるのだ。

また、恐怖心による情熱も不安や燃え尽き、ストレスの原因になります。自分がやりたいからやるのではなく、誰かをがっかりさせたくない、怒られたくないからやるという動機からくる情熱はとてももろいです。

持続可能な情熱のためには、負けないために行動するより勝つために行動する考え方をしましょう。

この落とし穴にはまり、ためらいと恐怖心がこみ上げてきたときは、自分が何を怖れているのかを自分に問いかけるとよい。もし、それが失敗への恐怖だった場合は、思い出してほしい。失敗を避けるために最善の方法は、勝つために行動することなのだ。

悪い情熱に陥っている状態に自分で気づけること、そして、内面から生まれる情熱に従っていることが重要です。

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要約②：情熱は見つけて育てるもの

たくさんの情報が溢れるなか、「そもそも情熱を向ける対象が見つからない」と悩んでいる人も多いかもしれません。

情熱を向ける対象が見つからないときは、フィット思考に陥っていないか確認しましょう。

フィット思考：最初の反応でこれが情熱の対象かわかると考える

フィット思考の欠点は、第一印象を重要視しすぎるあまり、諦めが早いことです。ピンと来るはず、運命の相手がいるはず、と思い過ぎていると、少しうまくいかないだけで心が折れやすくなります。

最初から完璧なものを見つけることにこだわる人は、いつまでも情熱をいだけない場合が多い。それよりは、要求水準を下げ、完璧を追求せずに、おもしろければよいと考えてみてはどうだろう。いっさい先入観なしに、興味をそそられたものを追いかけてみるとよい。

最初は少し興味があるくらいで良く、これがどこまで進歩するのか・将来何につながるのかを考え過ぎずにまずやってみましょう。

情熱の対象のハードルが高すぎて、何にも打ち込めないのは本末転倒です。情熱は見つけて育てるもの。最初から自分に才能を感じたり、ビビッと来たりするとは限りません。

また、情熱を傾ける対象が見つかったからといって、それにすべてを賭けるのは危険です。should（やらなければならないこと）もmust（やりたいこと）もどちらも選ぶと合理的な判断ができます。

ある特定のことにすべてを賭けている人は、きわめて脆弱だ。早まって行動してしまった場合は、とくにその傾向が目立つ。経済的にせよ心理的にせよ、成果へのプレッシャーにさらされている人は、筋道立てて慎重にものを考えることが難しくなる場合が多い。非合理な意思決定をくだしがちなのだ。

いきなり全部賭けるのではなく、ゆっくり大きく育む意識を持ちます。いずれはmust（やりたいこと）だけで人生を埋め尽くしたいなら、次のような条件を満たせているか確認してからにしましょう。

＜情熱の追求に突き進むかどうかの確認ポイント＞

・私は成功するために必要な努力を払ってきた

・私はスキルを磨き続ける意欲と勤勉性を持っている

・私は情熱をもっと深く追求することに伴う代償を十分に理解し、納得している

・情熱の追求に関わることすべてに全力で取り組むつもりだ　など

すべてにイエスと言えなくてもがっかりする必要はありません。全力で情熱を追求すると当然のように思えるときまで、成長をすれば良いだけです。

情熱の追求に全精力を注ぎこめるときが来たと、100パーセントの核心を持てる日はけっして来ない。それでも、十分な自信をもてれば、決断をくだすことはそれほど怖くない。自分が思い切った決断をしているとすら感じないはずだ。その決断は、いっそう強い情熱をもって生きる人生に移行するうえで当然の一歩にしか思えないだろう。