『降伏論』は、元プロ野球選手で今はビジネスコーチをしている著者が、できない自分を認めて結果を出す方法を語っている本です。
プロ野球選手時代は一生懸命練習して6年間でヒット1本。年収は580万円だったそうです。いくら一生懸命やっていても、結果が出ていないという現実に向き合わなければ成功はできません。
一生懸命やれば、必ず報われる。必ずしもそうではないと頭では分かっていたが、どこかでその考えにすがりたい気持ちがあった。
しかしそれは、「どうすれば結果を出すことができるか」という考えを諦めた者の思考回路である。”一生懸命”は現実を直視せず、結果に至るための具体的な方法を考えることを諦め、冷静さを失った者たちが生み出す幻想の世界だ。
一生懸命の呪いから脱出し、できない自分を認めて結果を出すにはどうすればいいかがわかります。
★ 『降伏論』 の要約ポイント★
・常に完了状態でいる
・自分の判断を入れずにやる
・自分で選択する言葉に変える
この記事では 『降伏論』 の要約を紹介します。
目次
要約①:常に完了状態でいる
結果が出せる状態、パフォーマンスが高い状態とは、完了状態でいることです。
完了状態とは、未完了がないということ。未完了なことがたくさんあると、心に引っかかってパフォーマンスを落とします。たとえば、未完了には次のようなものがあります。
<代表的な未完了>
・ヒトに関する未完了
けんかした、ひどいことを言われた/言った、言われたことにモヤモヤする等
・モノに関する未完了
ゴミがたまっている、使っていないものがある、消耗品がなくなりそう、電球が切れたまま等
・カネに関する未完了
貸したお金が返ってこない/返していない等
未完了は完了するまでエネルギーを奪い続けます。未完了がないスッキリした状態を維持すれば、本来のパフォーマンスを回復することができます。
次のワークで、未完了を完了させてしまいましょう。
<未完了を完了するワーク>
①10分間で未完了になっていることを書きだす(目標20こ)
②15分間でできるだけ完了させる
「15分間で完了させるのは無理」と思うかもしれませんが、実行する日を決めたり、誰かに依頼の連絡をしたりするだけでも大丈夫です。
また、完了できないものは、”扱わない”と決めるのも完了になります。その際、”扱えない”のではなく、”扱わない”と自分の意志で決めることが重要です。
これから未完了を貯め込まないように、今後「いま、やる」を積みかさねていきましょう。著者は”跨がない”生き方と呼んでいます。
たとえば、会話のなかで違和感を感じたら「その言い方はやめてほしい」とその場で解消する、「今度飲みに行きましょう」と曖昧な約束で終わりそうだったら、スケジュールを決めてしまう。
そのような”跨がない”生き方をしていれば、”跨がない”生き方を好む人が周りに集まってきます。逆に、未完了を許すような態度で生きていると、他人に未完了を増やされてしまうでしょう。
自身の完了を優先せず、人や社会の顔色ばかり気にして未完了を増やし、パフォーマンスが自動的に下がったところで、人はますますあなたの境界線を平気で超え、新たな未完了を増やしにくる。それは、あなた自身があらゆる未完了を”跨ぎ”、許してきた歴史である。
要約②:自分の判断を入れずにやる
いまの自分は、いままでの自分の意思決定の積み重ねでできています。
いまの自分を変えたかったら意思決定を変える必要がありますが、無意識で決定していることも多いために簡単には変わりません。
まず、無意識の意思決定に気づくために言葉を変えましょう。
特に「でも」という言葉をどのくらい使っているかを自覚します。「でも」を使うとき、それはいまの自分に引き戻されているときです。
・でも、今のままでも不便はないし
・でも、それをしなくても成功している人はいるし
・でも、いまは時間(お金)がないし・・・
この後に続くのは「今のままでいいか」であり、いまの自分をつくった思考に戻ることを意味します。自分を変えたいなら、「でも」に気づいてその思考がいかにポンコツだったかを認め、いままでと違う選択をすることです。
また、「いいところを取り入れる」という思考も自己変革の敵になります。
なぜなら、”いいところを取り入れる”判断能力は、残念ながらあなたにはないからである。何が良くて、何が悪いかという判断は、結局は元の自分の思考の内側である。そこで判断したことは、結局元の自分に引き戻してしまう。
そもそも、いいところがどこかを判断できるなら、最初からアドバイスは必要ありません。わからないから教えてもらい、教えてもらったことは全部そのままやってみる。できない自分、いままでの自分では理解できないことを認めて、真摯に・素直にやってみることが重要なんですね。
要約③:自分で選択する言葉に変える
自分の使っている言葉を変えるのは、今すぐできることです。
言葉が世界をつくります。同じ事柄でも、「難しい」と言えば難しく感じるし、「面白い」と言えば面白く感じるものです。
結果を出す人の言葉遣いのポイントには、次のようなものがあります。
・言い切る
”思う”を排除すると責任が生まれる
「こっちのほうがいいと思います」より「こっちのほうがいい」
「~になりたい」ではなく「~になる」、「~しようかな」ではなく「~する」
・許可を取らない
~してもよろしいですか?と相手に選択権を委ねない
・責任を取る
「~なってしまった」ではなく「わたしが~した」
「~できなかった」ではなく「~しなかった」
「こちらがいい」と言い切ることは、他の選択肢を排除することです。その分、選択に覚悟や責任感が生まれます。
著者は、ある経営者に「自分がやりたいことを、いちいち許可取ってたら、誰かの許可がなかったら動けない人生になるよ」と言われたそうです。
自分の人生、自分のやりたいこと、自分の依頼は、相手に決定を委ねない。常に決定権を自分側に持っている状態で言葉を扱うということが重要だ。
相手に委ねずに自分で選択するということは、自分で責任を取ることとも言えます。「~になってしまった」や「~できなかった」という自分以外の力が働いたような言葉遣いは、他責思考になりがちです。
すべての原因はこちら側にあって、世の中で起きているすべてのことに責任を取る。起きたことから影響を受けているのではなく、自らが世の中の側に影響を与えて、コトを起こしているという立場から言葉を扱う。無意識に言葉を扱っていると、いつの間にか影響を受ける側、ややもすると被害者の立場を取りやすい。
自分がどのくらい責任を持った言葉を使っているか、普段の言葉遣いを振り返ってみましょう。まずは気づくことから始まります。
『降伏論』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『降伏論』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『本当の勇気は「弱さ」を認めること』
傷つきやすさ、脆さ、脆弱性は避けるものではなく向き合うもの。
自分の弱さを認め、それでも挑戦することを選んだ人は、自分の目的に向かって進み、充実した人生を味わうことができます。
参考記事:『本当の勇気は「弱さ」を認めること』の要約まとめ:ヴァルネラビリティとは?
②『命綱なしで飛べ』
カッコ悪い姿をさらしてもいいから望ましいことに挑戦する=命綱なしで飛ぶことで、殻を破って成長できるという内容です。
今まで成果を上げてきた人ほど、今までのやり方で生産性を下げないように乗り越えようとします。つまり、変化しないで済まそうとするのです。
成長したいなら、かっこ悪いことでも取り組む勇気を持ちましょう。
参考記事:『命綱なしで飛べ』の要約まとめ:かっこ悪くてもいいから望ましいことをする
③『アドラー心理学入門』
アドラー心理学の基本理論がわかる本です。
新書サイズで読みやすく、特にアドラー心理学を子育てにどう活用するかがわかります。
参考記事:『アドラー心理学入門』の要約:アドラー心理学の基本理論がわかる【はじめの1冊に最適】
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