『私は私のままで生きることにした』は、他人に振り回されずにそのままの自分を大切にする生き方がわかる本。
著者は韓国のイラストレーター、キム・スヒョンさんです。
心理学や哲学などをロジカルにまとめた本というよりは、癒し系のエッセイといった感じ。「なんだかしんどい」、「他人の言葉に振り回されてしまう」という人に、自分を大切にすることを思い出させてくれます。
★ 『私は私のままで生きることにした』 の要約ポイント★
・他人や数字に振り回されない
・自分の幸せに自分で責任を取る
・寄り道ができる寛容さ
ゆるめでかわいいイラストが多く、サラッと読めます。心に刺さった名言をまとめました。
この記事では 『私は私のままで生きることにした』 の名言を紹介します。
目次
要約①:他人や数字に振り回されない
他人や数字と比較することは、自分で自分をみじめにしているのと同じです。
SNSで他人の見せたい生活を見ることで、自分が失っているもの・払っている代償があります。
わずかな好奇心を満たすために他人の生活を見物して、「みじめさ」という代償を支払っているのかもしれない。だけど、そうやって満たされた好奇心から何も得られない。あなたの好奇心やエネルギーは、あなた自身の人生をよくするために使ったほうがいい。
他人が食べているフランス料理の映え写真を見ながら食べる自分のコンビニおにぎりは、写真を見ないときと比べたらなんだかみすぼらしく思えてしまいます。
でも、コンビニおにぎりの味は変わらないし、それはそれでおいしいはず。他人の人生の観客になるのではなく、自分の人生の主役であることにエネルギーを注ぐほうが良いです。
比較しないで生きるには、数字から離れることも大切です。年収、資産、家の広さ、車の値段など、その数字がどのくらい大切なのか、数字のある人生とない人生はどちらが幸せか考えてみましょう。
本当の価値は数字で測れるものではない。だから、あなたが人より優れた存在になりたいのではなく、人と比べられない存在になりたいのなら、まずはあなたの人生から数字を消さなければならない。人生でいちばん大切なことは、数字では表せないもののなかにあるのだから。
他人をうらやましいと思うとき、見えているのはほんの一部分かもしれません。完璧に見える人もその人なりに悩みを抱えているもの。単純に比較できないし、比較する必要もありません。
私たちは、表面だけを見て他人の人生の重みを測るけど、他人の目に映る自分の姿がすべてではないように、私たちの目に映る他人の姿もすべてではない。人はそれぞれ、傷や不完全さを抱えている。傷のない人生なんてない。
他人に振り回されなければ自分が幸せであると証明する必要もないし、自分が幸せであることを知っていればそれでOKです。
自分が幸せであることを人に証明しながら生きることは、最も不幸な生き方
私たちにとって大切なのは、自分を証明する名刺ではなく、誰かに証明する必要のない自分自身になること。
自分の幸せを見せつけたら、見せつけられた相手はみじめな気持ちになるかもしれません。
それぞれが、それぞれに絶対評価で幸せになる。それが社会の幸福度を上げるのではないでしょうか。
要約②:自分の幸せに自分で責任を取る
他人に振り回されないということは、自分を信頼しているとも言えます。
自分を信頼するためには、自分で決めて自分で責任を取ることです。他人のせい、環境のせい、運が悪かった等、自分以外のせいにして責任から逃げていると、自分を信頼することはできません。
自分で自分の人生をコントロールできるという自己信頼感は、絶対に失敗しないと信じるときではなく、自分なりに最もいいと考える決定を下し、それがどんな結果につながっても、その結果に責任をもつときに得られる。
完璧な自分だから信頼できるのではなく、ダメな自分、欠点のある自分も受け容れることでありのままの自分を生きることができます。
逃げたり、言い訳したりするのをやめて、好きな自分を嫌いな自分が合わさった本当の自分と向き合ったとき、私たちは傲慢な人間ではなく人間らしい人間として生きられる。
どんな結果になっても自分の人生を生きられるのは自分しかいません。自分で選んで自分で責任を取る。その繰り返しが自分の人生をつくっていきます。
いくつか問題があったからといって、人生を丸ごと放棄するのは納得できないし、人から見たら取るに足らないこんな人生でも、私にとってはすべてだから。
自分の人生を他人に任せるのはやめましょう。自分で自分を幸せにする責任があります。誰かが幸せにしてくれるのを待つのはギャンブルですし、誰かによってもたらされた幸せは誰かが簡単に奪っていくかもしれません。
誰もあなたの代わりにあなたを守ってはくれない。耐えがたい犠牲に耐えるのは、自分を虐待しているのと同じ。
「子どもが幸せになったら自分が幸せ」等と他人の幸せに自分の幸せを任せるのは無責任です。任されたほうもきっと負担に思うでしょう。子どもも配偶者も別の人間であり、わたしが幸せにすることも、わたしを幸せにしてくれることも望むべきではありません。
他人の幸せは、実際のところあなたの影響圏外のことで、幸福とは各自が責任を負うべきもの。だから、自分の幸せを脇に置いておくのはやめよう。
要約③:寄り道ができる寛容さ
韓国は出生率が低く、自殺率が高い国です。日本も同様の傾向があります。その原因の一つとして、社会の不寛容さが挙げられています。
他人の寄り道を許さない社会、決まった年齢で決まったチェックポイント(結婚、出産、マイホーム購入など)を通過しないと道から外れたと烙印を押される社会は、幸せになりにくい社会です。
私たちが幸せになるために、生存の問題と同じほど大切なのは、好きなだけ寄り道のできる自由と、お互いの寄り道を許容する寛大な目。
多様な生き方を許容する、人それぞれの選択を尊重することができれば、もっと生きやすい社会になるでしょう。
規定された幸せはなく、人それぞれに幸せがあります。自分がどうすれば幸せと感じるのか、自分を知ることも大切です。
でも、幸せになるために生きなくては!幸せでないと生きている意味がない!と思うのは健全ではなく、人生それ自体で人生の目的であると肩の力を抜いてみてはいかがでしょうか。
もちろん、私たちは幸福のために努力すべきだし、私だってあなたの幸せを願っている。でも、何度聞かれても私はこう答える。人生の目的はいつも、人生それ自体にある、と。
『私は私のままで生きることにした』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『私は私のままで生きることにした』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『あやうく一生懸命生きるところだった』
頑張らずに生きると決めたら人生がどう見えるのか?がユーモアたっぷりに分かる本です。
40歳を前に先の見通しもなく退職したイラストレーターの、生き方にまつわるエッセイ。頑張らずに生きると決めたら人生がどう見えるのか?がわかります。
ゆるいイラストで心が癒され、人生たいていのことは大したことない、自分は自分・他人は他人と思えます。
参考記事:『あやうく一生懸命生きるところだった』の要約と感想:楽しむことを思い出そう
②『プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術』
他人の言葉を過大評価せずに自分の言葉を取り戻す大切さがわかる本。
言葉は大切、人の話はきちんと聞かなければならない、と言われますが、それは表のルール。暗黙のルールとしては、みな他人の言葉を適度にスルーして生きています。
他人の言葉と上手に線を引いて、感情に振り回されない方法がわかります。
参考記事:『プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術』の要約まとめ
③『反応しない練習』
30万部突破のベストセラーです。
『反応しない練習』は、不安、嫉妬、悩みなどネガティブな感情の仏教的対処法を教えてくれます。
自分の心をどう見つめればよいかがわかり、すっきりする本です。
参考記事:『反応しない練習』の要約まとめ:悩みの原因は心の反応である【ブッダの合理的解決策】
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