『あやうく一生懸命生きるところだった』の要約と感想:楽しむことを思い出す名言がいっぱい

『あやうく一生懸命生きるところだった』の要約と感想:楽しむことを思い出そう

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『あやうく一生懸命生きるところだった』は、40歳を前に先の見通しもなく退職したイラストレーターの、生き方にまつわるエッセイ。頑張らずに生きると決めたら人生がどう見えるのか?がユーモアたっぷりに書かれています。


著者は韓国人のハ・ワンさん。本のなかのイラストは著者自身が描いているそうです。

★ 『あやうく一生懸命生きるところだった』 の要約ポイント★

 

・自分の思いどおりにならないことを受け入れる

 

・人生のマニュアルを捨て、自分のペースで生きる

 

・人生はなぞなぞ。楽しいだけでも良いじゃないか

他人の尺度ではなく自分の尺度で生きる、人生の出来事をどう捉えるかが大切、という内容です。自己啓発書や人生訓の本でよく言われることですが、ゆるいイラストとたとえ話のおもしろさでスッと心に入ってきます。

「心が軽くなる」と韓国で話題で、25万部を超えるベストセラーのエッセイ。日本人の心も軽くしてくれる、癒し系の本でした。

この記事では 『あやうく一生懸命生きるところだった』 の要約と感想を紹介します。

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要約①:自分の思いどおりにならないことを受け入れる

 

著者は40歳を目前にして、「今日から必死に生きないようにしよう」と決意しました。それは、いままで頑張ってきたのにその方向が合っているか確信できず、今までと違う生き方を自分にプレゼントしたかったからだそうです。

 

全力でやっているのに負け続けている気がしたのだとか。

負け続けているとは誰に負けているのか、そもそも何のレースなのか。がんばることが正しいとは思えなくなってしまったんですね。

 

必ずしも努力が報われるわけではないことを大人は知っています。だから努力は報われると信じてがむしゃらにがんばることはできません。でも、必ずしも努力が報われるわけではないとわかっていても、やっぱり報われなかったら文句を言いたくなって苦しくなります。

努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もある。

この現実を認めれば、苦しみから少しは解放されるだろう。

自分が”こんなにも”努力したのだから、必ず”これくらい”の見返りがあるべきだという思考こそが苦悩の始まりだ。

たいした努力もしていないのに成功している人を知った時、あなたはどう反応するでしょうか?

ずるい、理不尽だ、妬ましい等の感情は自分を苦しめるだけ。むしろ、努力をしていないのに成功する可能性を証明してくれる存在だと思えば心が軽くなるでしょう。

 

人生はなんでも自分でコントロールできる、と信じていると、結果の責任は自分にかかっていると思い、力を抜くことができません。「うまくやりたい」「失敗したくない」という気持ちは、往々にして失敗を招きます。

僕らは、力まずには生きられない。力を抜けば倒れてしまうと思い、さらに力む。恥ずかしいが、僕も怖くてずっと力を抜くことができなかった。

力を抜くとはつまり、リラックスして、柔軟で、自然体で、欲を出さないこと。それができず、今までの人生を必死に生きてきた。

人生なるようにしかならないので自分のやりたいことをやってみる。やって失敗したら思いっきり後悔すれば良い。

思いどおりにならないことをどう受け止めるか。ずっと不満を言って過ごすのか、受け入れて次に進むのか、どう捉えるかが重要です。

要約②:人生のマニュアルを捨て、自分のペースで生きる

 

人々のなかになんとなく人生のマニュアルが存在します。

大学は行っておいたほうがいい、会社に就職して、適齢期で結婚して子どもを産み、マイホームを買って一生懸命働きローンを返済する…何歳のころにはこうなっていたら社会に適応している、大多数と同じだから安心、というマニュアルです。

 

学校に行かずに引きこもっていたり、30歳になっても一度も就職していなかったり、40歳を過ぎても結婚していなかったりすると、人生のマニュアルから外れているとみなされるでしょう。そして、外れている理由を当然のように聞かれます。

決まっていつも説明するのは僕だった。彼らは説明する必要がない。当然の質問をしているだけだから。僕にだけ、納得できる説明を要求する。その答えによって許せるか否かをジャッジするかのように。

しかし、人生のマニュアルを信じている多くの人は、なんとなく信じているだけにすぎません。だから、他人の価値観に左右されるのではなく、自分が選択することが大切です。他人の価値観に沿って選択したことがうまくいかなかったとしても誰も責任はとってくれませんし、誰かのせいにして生きるのも幸せとは言えないのではないでしょうか。

 

人生のマニュアルを外れることで、取り残される不安を感じるかもしれません。しかし、盲目的にみなと同じコースを同じペースで走るより、自分のコースとペースを見つけることのほうが価値があります。

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要約③:人生はなぞなぞ。楽しいだけでも良いじゃないか

 

著者は人生をなぞなぞにたとえています。

どう生きたいのか、人生で何をしたらよいのか、わかるようでわからないし、考えるほどに迷うところが似ているというのです。

もし人生がなぞなぞだとするなら、みな真剣に取り組みすぎなのかもしれません。

そうだ。本来、楽しむことが目的のなぞなぞに、僕らはあまりにも死に物狂いで挑んでいるのではないか?

答えを探すことにだけ集中し、問題を解く楽しさを忘れてはいないだろうか?

なぞなぞは、必ずしも正解しなくていい。間違えても楽しいのだ。

しかも、このなぞなぞには、どうせ正解なんてない。

人生に答えなんてないのだから、重要なのはリアクションです。

人生に起こるさまざまな出来事をどう捉えて、どのような態度でリアクションするか。著者は思いどおりにならない現状を愛し、結果だけではなくプロセスを楽しむ生き方をおすすめしています。

自分が自分の人生を愛さずして、誰が愛してくれるだろうか?理想通りにならなくても人生は終わりじゃない。僕らは与えられた人生とともに生きていかなければならない。だからこれは、「人生をどう捉えるか」という観点の問題だと思う。

結果だけにフォーカスすると、楽しかったことも楽しくなくなってしまうかもしれません。

著者はイラストを描くのが好きだったのに、お金という結果の尺度で見たらイラストを描く=お金にもならない仕事と思えてめんどくさくなってしまったそうです。

心から楽しめていたのに、結果を持ち出した途端につまらなくなったことはありませんか。

効率、生産性、スピード、売上などは人間から楽しむプロセスを奪います。そこにあるのは競争の世界です。競争の世界から距離を置けると、人生のプロセスを楽しむ心のゆとりが生まれるのかもしれません。

『あやうく一生懸命生きるところだった』 の感想

 

個人的に印象に残った部分の感想を紹介します。

 

・やる気はあったらいいもの、なくてはならないものだと苦しくなる

やる気を出すにはどうしたらいいか?という悩みを平然と受け入れていましたが、そもそもおかしいことに気づきました。

全然好きではない人を「どうしたら好きになれるだろうか?」と悩むのと同じ。

やる気は出てくるもので、誰かに出してもらったり、無理やり絞り出したりするものではないですよね。

 

・遊べない理由は山ほどあるけど、遊んでいい理由はどこにもない

楽しんでこその人生ですから、大人にも遊ぶ時間は必要です。

しかし、大人には遊べない理由(お金を稼がないといけない、時間のムダ、仕事が忙しい、子どもの面倒を見ないといけない等)は山ほどあるのに、遊んでいい理由はどこにもない。だから、自分で遊んでいい理由、大義名分をつくらないと遊べないのです。

 

・「いい年して恥ずかしい」を手放す

人生のマニュアルには年相応のふるまいや能力があります。そこに至っていないと感じたとき、「いい年して恥ずかしい」という感情がわきます。

人生のペースは人それぞれ。いろいろなプロセスがあるのだから、本来は共通の年相応なんてないはず。幻想の年相応を理由にやりたいことを諦めるのは嫌ですよね。

著者はエッセイを書く仕事を受けるために、32歳という年齢のセルフイメージを設定したそうです。そうすることで「いい年して恥ずかしい」の感情を乗り越えたのだとか。

もし年齢を理由に諦めていることがあったら、そのときはその挑戦に抵抗がない年齢を設定してみると心が軽くなるかもしれません。

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『あやうく一生懸命生きるところだった』 の次に読むなら?

 

『あやうく一生懸命生きるところだった』 とあわせて読みたい本を紹介します。

①『心配事の9割は起こらない』

 

禅僧の著者が、心配事など心を縛るものを手放すヒントを教えてくれる本。

どうにもできないことはあるがままに受け入れ、あたりまえに感謝する。執着を捨てて、いまここを生きる。

基本的に同じことを言っていると感じました。

参考記事:『心配事の9割は起こらない』の要約まとめ:禅的シンプルな生き方

②『諦める力』

 

著者は400メートルハードルの為末大さん。

”諦める”という言葉には”途中で投げ出す”、”逃げる”といったネガティブなイメージがありますが、仏教では”明らめる”=真理を明らかにして見極めるという意味があります。

 

諦めるのは悪いことではない、むしろ将来を見据えて自分を活かす場所を選んでいることだと前向きに捉えなおせる本です。

参考記事:『諦める力』の要約まとめ:自分に合ったことを見極めて選ぼう

 

★今回紹介した本★


 

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