『インナーゲーム』はコーチングの名著、古典と言われている本です。知っていることを体で実際にできるようにするために、精神力を高める方法がわかります。
もともとはテニスのコーチであった著者が、あらゆるスポーツに応用できるインナーゲーム(心の中の動き)の秘密を解説しています。
スポーツのコーチだけでなく、本番で力を発揮したい、才能を伸ばしたいと思うすべての人におすすめの本です。
★ 『インナーゲーム』 の要約ポイント★
・自分の中にいるセルフ1とセルフ2
・インナーゲームの3つの原則
評価せずに観察する/視覚的イメージを使う/セルフ2を信頼する
人の評価や判断が目に飛び込んでくる現代だからこそ、心の中の動きを制することの重要性がより増したかもしれません。
この記事では 『インナーゲーム』 の要約を紹介します。
目次
要約①:自分の中にいるセルフ1とセルフ2
インナーゲームとは、自分の心の中にいるセルフ1とセルフ2のゲームです。
セルフ1:言う人(命令、指示、批判、評価など)
セルフ2:やる人(話さない)
このセルフ1とセルフ2が仲良くうまくいっている状態だと、理想的なパフォーマンスを出すことができます。
たとえばテニスのプレー中、「サーブを失敗しないように」「いまの返しはまずかった」「このポイントを取れば勝てる」など心の中で話しているのがセルフ1です。セルフ2は話さず、球を打っています。
セルフ2が失敗したときにセルフ1が責める、ますますセルフ2は自分の力を発揮できなくなる…という負のループにはまります。
セルフ2がうまくいったときにセルフ1が褒めたとしても、「また同じようにやらなければ」と余計な力が入って失敗してしまう、というケースもあります。
著者がテニスコーチをしているとき「教えるほどうまくいかない、むしろ教えないほうがうまくいくことが多い」と気づいてこの仕組みにたどり着きました。言葉で教えるというのはセルフ1と同じであり、言われたことを意識するあまり、もっとできなくなっていきます。
ゾーンに入って最大限の力を発揮するには、セルフ1を静かにさせる必要があります。
無意識状態でプレーするとは、心が一点に絞られた結果、非常に「静か」になっているということだ。それは、心が肉体の運動と一体化して融合しているため、無意識的な、自動的な運動が何ものにも妨害されていないということだ。
要約②:インナーゲームの3つの原則
インナーゲームには3つの原則があります。
・評価せずに観察する
・視覚的イメージを使う
・セルフ2を信頼する
1つずつ紹介します。
評価せずに観察する
原則の全文は次のとおりです。
自分のやっていることを、”評価せずに”観察しなければならない。
実際にプレーしているときは静かな水面のような心が必要であり、思考は不要な存在です。評価や判断は思考を引き起こします。悪いときだけでなく、良いという判断も邪魔になります。
・ダメだった⇒なぜ?⇒もっとよくやろう
・よかった⇒今のをもう一度やろう
また、人間は普遍化・一般化しやすい傾向があります。1つの出来事がいつもそう・みんなそう・すべてそうと思いこんでしまうと、セルフ2は思ったとおりに行動します。
1つのミス⇒私はいつもミスをする、下手くそだ(普遍化・一般化)
⇒セルフ2は思ったとおり(わたしは下手くそだ)を再現する
大切なのは、ただできごとを観察することです。評価せずに、そのままのデータとして受け入れます。
評価を手放すために、セルフ1の注意を一点に集めるというコツがあります。
テニスなら、ボールの縫い目を見るように指示すると、ボールの縫い目に集中して余計な思考の入る隙がなくなります。汎用的に使えるコツとしては、呼吸に心を奪わせると、静かな心を保ちやすいです。
一つの事に関心を奪われたなら、心は静まりかえるはずだ。どこか「よそ」に駐車させるのではない。「いま」「ここに」積極的にセルフ1を駐車して、クギ付けにしてはどうだろう。
視覚的イメージを使う
原則の全文は次のとおりです。
セルフ2というコンピューターをフル作動させるために、セルフ1がプログラミングするわけだが、このプログラムの組み込みは”言葉”ではなく、”視覚的”イメージによらねばならない。
セルフ1は静かにしていてほしい存在ですが、単なる邪魔な存在ではなく役割があります。それは、セルフ2に目標を与えることです。どういう球が打ちたいのか、どんなフォームにしたいのか、どうありたいのか等、目指す方向性をプログラミングします。
セルフ1こそ、セルフ2のコンピューターに最も有効なデータを記憶させるプログラマーなのだ。セルフ2は自分でデータを収集できる。自分で動くことができる。そしてここに有効な”計算式”(プログラム)を与えてやると、セルフ2の能力は飛躍的に増大するのだ。
重要なのは、プログラムは視覚的なイメージでなければならないということです。
ある日、著者はいつもの解説的な指導をやめて、よく見ているように伝えてからストロークのお手本を見せました。「フットワークが大切なんですね!」と言った生徒がその後やってみると、フットワーク以外は上手にできていたそうです。
視覚的イメージで捉えたものは体で再現でき、言葉で捉えたものは再現できなかった。その事実に衝撃を受けたのだとか…
セルフ2を信頼する
原則の全文は次のとおりです。
セルフ1が欲することを実行するためには、まずセルフ2を全面的に信頼しなければいけない。つまり、自我意識であり、思考部分であるセルフ1が「やろうとする」のではなく、実働部分のセルフ2に「やらせる」べきなのだ。
セルフ2には自己修正能力があります。視覚的イメージがあれば、自分でそのイメージに近づけるように修正できます。そのためには、原則①の評価せずに観察することが必要です。
自分の肉体(セルフ2)を信頼することは、母親が歩こうとする幼児を見守るのに似ています。いずれは歩けるようになると信じているので、できないからといって非難せず、幼児がただ学ぶのを見守ることができます。
陥りやすい罠として、セルフ1が活動しているほうが自分でやった感があります。セルフ2は肉体に任せているので、自分で努力して成し遂げた感がなく、セルフ1が戻ってきてしまうかもしれません。
自分でやった感が得たいのか、本当の成果が得たいのか。本当の成果が得たいなら、セルフ2を信頼して任せてみましょう。
『インナーゲーム』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『インナーゲーム』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『セルフトークマネジメント入門』
セルフトークとは感情や行動を支配するひとり言のこと。
怒りに支配されているときは、ネガティブなセルフトークが頭にかけめぐっていませんか?
ネガティブなセルフトークを断ち切って、ポジティブに置き換える方法がわかります。
参考記事:セルフトークとは何か&活用方法がわかる!『セルフトークマネジメント入門』の要約まとめ
②『Chatter(チャッター)』
Chatter(チャッター)とは”ぺちゃくちゃしゃべる”という意味です。
頭の中で自分に向けられる声は、内なるコーチになるときもあれば、内なる批判者になるときもあります。
変化や成長に踏み出せないときは頭の中の声が内なる批判者になっているのではないでしょうか。
内なる声と距離を取って、自分を客観的に見つめてみましょう。
参考記事:『Chatter(チャッター)』の要約まとめ:頭の中のひとりごとを味方にするには?
③『無(最高の状態)』
過去や未来を想像して悩んでしまう、という人にぜひおすすめ。
脳がつくりだす物語に巻き込まれず、マインドフルネスの状態を保つヒントが見つかります。
紹介されているエピソードや研究結果も面白いので、心理学や脳科学の読み物としても楽しめます。
参考記事:『無(最高の状態)』の要約まとめ:自己を捨てれば苦しみから解放される
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