『誰もが人を動かせる!』はリーダーシップを伸ばすための戦略がわかる本。
著者はUSJをV字回復させたことで有名なマーケターの森岡毅さんです。
リーダーシップに必要なのは欲とリーダーシップ経験。リーダーシップ経験を積んだもの勝ちです。
★ 『誰もが人を動かせる!』 の要約ポイント★
・リーダーシップの強さは欲の強さ
・日本でリーダーシップが育たない理由
・リーダーシップを伸ばしやすい3つの環境
この記事では 『誰もが人を動かせる!』 の要約を紹介します。
目次
要約①:リーダーシップの強さは欲の強さ
リーダーシップとは、共同体のために「人を動かすこと」。リーダーシップの能力は後天的に育てることができます。
リーダーシップの強さは欲の強さに比例します。つまり、どうしても成し遂げたいことがあるか?という思いの強さがリーダーシップの強さです。
リーダーシップを発揮する過程では、人との摩擦や行動を起こすエネルギーが必要になります。そのときエネルギーの源になるのが欲です。
欲を持つことはハイリスク・ハイリターンであり、叶わないとストレスになります。誰にでも欲はあり、「欲がない」という人は、満たされない苦しさや欲を満たす過程で傷つくことへの恐れから、欲を見ないようにしているだけかもしれません。
リーダーシップを発揮する欲は、次の3つを満たすものです。
・巻き込みたい人々にとって魅力的(people want)
・集団としての能力を必要とする(want people)
・あなた自身が本気になれる(I want)
欲がない人は、まずみんなが喜ぶこと(people want)をヒントに、小さなことでもいいからやってみましょう。成功体験を積むことが大切です。
もし失敗したら、「失敗しても大したことない!楽勝!」と失敗に脳を慣らします。どっちにしても行動することです。
すべてはあなた自身の覚悟がどれだけ強いか?どれだけ執念深くその目的を追い続けられるのか?そこから始まります。言い換えれば、あなたの「欲(≒夢)」を追求する覚悟の強さそのものが、あなたのリーダーシップの”出力”の上限値だと思ってください。
要約②:日本でリーダーシップが育たない理由
日本は残念ながらリーダーシップが育ちにくい環境です。なぜなら、日本は欲を否定したりお互いに遠慮したりする文化だからです。
日本人は自己主張しない、リーダーシップが弱いと言われますが、潜在能力に違いはないのに経験値を積む正しい行動をしていないのが原因だと著者は分析しています。
特に女性は、さらに男性よりもリーダーシップ経験を積む機会を奪われています。会長は男性・副会長は女性というように、女性は自然とサブの位置に置かれてしまいます。
著者は女性の機会をオープンにし、リーダーシップを発揮する人口を増やせば、日本がもっと良い社会になると考えています。本を通して、著者の日本に対する危機感を感じました。
日本で美徳とされる遠慮や思いやりは、リーダーシップの言い訳にされがちです。「周囲のため」と言いそうになったら、痛みから逃げているだけではないか?と自問してみましょう。
本当は周囲のことを思いやっているのではなく、周囲から反撃されて自分が痛い思いをすることを常に心配している。それは周囲への優しさでも思いやりでもありません。単純に”弱さ”です。自分が痛い思いをするのを避けるために”痛がり屋さん”がする典型的な言い訳、それが「周囲の人々の気持ちを考えて」です。それほど本当に”周囲”が大事ならば、自分が周囲のために痛さや責任を負ったらいいじゃないですか。共同体のために正しい目的ならばやればいいじゃないですか。そして本来はやるべきでしょう?
率先してリーダーシップ経験を奪い合うような環境ではないからこそ、あなたがその気になればリーダーシップ経験を積むチャンスはたくさんあります。経験したもの勝ちなのです。
要約③:リーダーシップを伸ばしやすい3つの環境
前提として、リーダーシップを伸ばせるかは自分次第、環境を言い訳にしてはいけません。
しかし、リーダーシップを伸ばしやすい環境にいることは重要です。
<リーダーシップを伸ばしやすい3つの環境>
・自分の特徴が強みとして有利に活かせる
・「自分がやらねば!」と思いこめる
・広い視野と職責スペースが持てる
強みを活かすには、まずは自分の強みを知っている必要があります。Self Awareness(自分を理解している度合)が高いほど、自分を活かしやすくなります。
また、まわりが優秀すぎると自分でリードしなくて良い、むしろリードしないほうが共同体にとって良いことになってしまいます。劣等感があると自信も失ってしまうかもしれません。
それなりに頼りになれるような、自分に合ったレベルの組織を選びます。
組織の規模ではなく、自分の職責が大きく全体が見渡せるかどうかを基準にしましょう。
仕事の規模感は大きくても、担当できるところが狭くて部分最適しか考えられない場合、全体を俯瞰して判断する習慣が育ちません。
細分化された部門間の調整に忙殺されるのはエネルギーの浪費です。巨大な船の1つの部品をつくるより、小さくても1隻のヨットをすべてつくるほうが、リーダーシップを伸ばす経験と言えます。
自分が勤めている企業や携わっているプロジェクトの規模ではなく、実際に自分が携わる職責のスコープの大きさを重視して職場を選びます。それは、自分自身を強くする経験そのものであり、自分の視野を拡げて視座を高くするリーダーシップ経験の蓄積だと確信しているからです。
『誰もが人を動かせる!』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『誰もが人を動かせる!』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『リーダーシップの旅』
リーダーになる過程を旅にたとえて、リーダーシップとは何か?を深掘りできる本です。
リーダーは生まれつきでも偉大な人しかなれないわけでもなく、結果としてリーダーになるもの。
<リーダーシップの旅>
リード・ザ・セルフ⇒リード・ザ・ピープル⇒リード・ザ・ソサイエティ
自分の見たい未来やビジョンを見ようとする(リード・ザ・セルフ)ことから旅は始まります。
参考記事:『リーダーシップの旅』の要約まとめ:リーダーは結果的になるもの
②『命綱なしで飛べ』
カッコ悪い姿をさらしてもいいから望ましいことに挑戦する=命綱なしで飛ぶことで、殻を破って成長できるという内容です。
今まで成果を上げてきた人ほど、今までのやり方で生産性を下げないように乗り越えようとします。つまり、変化しないで済まそうとするのです。
成長したいなら、かっこ悪いことでも取り組む勇気を持ちましょう。
参考記事:『命綱なしで飛べ』の要約まとめ:かっこ悪くてもいいから望ましいことをする
③『主体的に動く』
アカウンタビリティとは自分で現状を変える力。
他人のせいにせず、現実を自分の行動の結果だと受け止めることで、
現実を変える力になります。
参考記事:『主体的に動く』の要約まとめ:アカウンタビリティを持って自分の力を信じる
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