『「わかりあえない」を越える』は、NVC(非暴力コミュニケーション)がわかる本です。
NVC(非暴力コミュニケーション):
自分の内側と外側に平和をつくる、思いやりのある与え合いのコミュニケーション
『「わかりあえない」を越える』の著者であるアメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士が、1970年代にNVCを体系化しました。
決めつけや判断から自由になり、思いやりや与え合いのような本来のエネルギーを使ってコミュニケーションする方法がわかります。
★『「わかりあえない」を越える』の要約ポイント★
・NVCは思いやりのある与え合いのコミュニケーション
・判断を交えずに感情とニーズを伝えてリクエストする
・NVCで自分と向き合う
豊かな人間関係を築くのに大切なことを教えてくれる本です。
この記事では『「わかりあえない」を越える』の要約を紹介します。
目次
要約①:NVCは思いやりのある与え合いのコミュニケーション
NVCは自分の内側と外側に平和をつくるコミュニケーションの方法です。
正しい/間違っている、良い/悪いなどの判断・決めつけから自由になり、
お互いが貢献して豊かになる関係を目指します。
NVCの目的:思いやりのある与え合いが可能になるような方法で他者とつながること
人は本来、与え合うことに喜びを感じる存在であるのに、決めつけの教育が暴力的なコミュニケーションを生み出している、と著者は考えています。
わたしたちが自分と他者に奉仕するのは、義務感、罰への恐れ、報酬への期待、罪悪感や羞恥心からではありません。わたしの考える人間本来の性質として、与え合うことに喜びを見出すのです。NVCは、他者に与える(そして他者から与えられる)という行為の中で、そうした人間本来の性質が前面に現れるようなつながりをつくるのに役立つものです。
NVCには核となる2つの質問(平和の言葉)があります。
①わたしたちの内面で何が息づいている、生き生きしているか?
(What’s alive in us?)
②人生をよりすばらしいものにするために何ができるのか?
(What can we do to make life more wonderful?)
①で自分の感情とニーズに向き合い、②でニーズを相手にリクエストします。
要約②:判断を交えずに感情とニーズを伝えてリクエストする
”①わたしたちの内面で何が息づいている、生き生きしているか?”に答えるために、
判断を交えずに相手の行動を観察します。
相手にレッテルを貼ったり、自分の判断を押し付けたりするのはNGです。
✖〇〇さんはおしゃべりすぎる
✖〇〇さんは自分が賢いと思っている
⇒判断が入っている
・〇〇さんはどんな議題のときでも個人的なエピソードを話す
⇒明確で具体的
観察した行動によって、自分にどんな感情が息づくのか?を明確にします。
相手に対する自分の考えではなく、自分に湧き上がる感情を言葉にします。
✖あの人は間違っていると感じる
✖わたしは理解されていないと感じる
・わたしは悲しい/イライラする/がっかりする など
そして、自分の感情の原因になっているニーズを探ります。
自分の感情を他人のせいにして罪悪感を植え付けてはいけません。
”〇〇さんに~してほしい”はニーズではなくリクエストです。
自分の感情の裏には、自分が叶えたいニーズがあるはずです。
代表的なニーズには次のようなものがあります。
・自律性(自分で選びたい)
・祝福(祝いたい、悼みたい)
・価値観(誠実でいたい、自尊心を守りたい)
・精神的な交流(調和を保ちたい、平和でいたい)
・相互依存(親密になりたい、支援がほしい)
・遊び(楽しみたい、笑いたい)
・身体的な養い(きれいな空気、食べ物、健康、安全)
人のニーズが見えると、相手に与える喜びが沸き上がります。
ニーズを明確にして伝えなければ、与え合いが生まれないのです。
そして相手にしてほしいことを行動を促す肯定形の言葉でリクエストします。
✖部屋を汚さないで
△部屋をきれいにして
〇洗濯物は床に散らかさずに洗濯機に入れて
リスエストが強要にならないように気を付けましょう。
強要されたことは忘れがちであり、実行されません。
・パワーオーバー:力で服従させる⇒意志の低下、暴力、反発
・パワーウィズ:相手と共に力を持つ
リクエストであると信用してもらうには、安心して異議を唱えられるような場でリクエストします。
要約③:NVCで自分と向き合う
NVCを使って、自分の失敗と向き合う方法を紹介します。
【NVCで自分の失敗と向き合う3ステップ】
①「~すべき」に気づく
②満たされなかったニーズを明らかにする
③満たそうとしたニーズを明らかにする
たとえば、仕事に遅れそうなときにモタモタする子どもを怒ってしまったケースを考えます。
①「良い親であるべき、自分の都合で子どもを怒るべきではない」という「~すべき」に気づきます。
次に、②怒ってしまったことで満たされなかったニーズを考えると、人に敬意を持って接したいというニーズがありました。
最後に、③怒ったことで満たされたニーズを考えます。
怒ったということは、その行動で満たしたいニーズがあったはずです。
このケースの場合、スケジュールを守りたい、相手の時間を大切にしたいというニーズがありました。
③のニーズにも目を向けることで、怒ってしまった自分に共感できます。
なかなか実践できるのは少数派ですよね。
自分に共感できれば自尊心を失わずに失敗から学ぶことができます。
『「わかりあえない」を越える』の次に読むなら?
『「わかりあえない」を越える』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『なぜ人と組織は変われないのか』
自分や組織の行動を変えたい人が、変われない真の原因を突き止めるためにとても役立つ本。
免疫マップの”裏の目標”が、NVCで言うところのニーズです。
自分を深く理解した上で、行動を変える方法が学べます。
参考記事:『なぜ人と組織は変われないのか』の要約:免疫マップで自己改革をする方法
②『insight』
自己認識を高めることで、無意識の決めつけや他人への評価に気づくことができます。
自分で自分を知る内的自己認識と他人から見た自分を知る外的自己認識を高めるのがポイントです。
参考記事:本『insight』の要約まとめ:自分を正しく知る自己認識(セルフ・アウェアネス)とは?
③『異質な力を引き出す対立のススメ』
コンフリクト(対立)マネジメントがわかる本です。
コンフリクトを価値創造に活かす発想が共通しています。
日常で起こるコンフリクトの具体的な解決事例がわかりやすいです。
参考記事:コンフリクトマネジメントがわかる本:『異質な力を引き出す対立のススメ』の要約
まとめ:NVCで思いやりのある人間関係ができる
・NVC=自分の内側と外側に平和をつくるコミュニケーション
・NVCの平和の言葉(核となる2つの問い)
①わたしたちの内面で何が息づいている、生き生きしているか?
②人生をよりすばらしいものにするために何ができるのか?
・正しい/間違っている、良い/悪いなどの判断・決めつけから自由になる
・自分に湧き上がる感情とそのニーズを観察する
・パワーオーバーの強要ではなく、パワーウィズで相手と共に力を持つ
・後悔するような行動の裏にも満たしたいニーズがある
NVCのコミュニケーションを実践するには、自分の言葉に注意を向ける必要があります。
普段使っている言葉にたくさんの判断や決めつけが入っていてハッとしました。
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