『タイムクエスト(TQ)』は心の安らぎを得るための時間術の本。
どうやって効率的にたくさんのタスクをこなすかというハウツー本ではありません。
自分にとって大切な価値観を日々の行動に反映させることで、心の安らぎ(満足感・幸福感)を得ることが目的です。
自分の価値観に沿った行動が増えれば、自尊心が高まり、結果的に生産性も上がります。
★『タイムクエスト(TQ)』の要約ポイント★
・時間のコントロール=出来事のコントロール
・生産性のピラミッドは価値観が土台
・”思いの窓”に映し出された価値観を改善する
時間の使い方を見直して、他人軸ではなく自分軸で生きる大切さがわかる本です。
この記事では『タイムクエスト(TQ)』の要約を紹介します。
目次
要約①:時間のコントロール=出来事のコントロール
時間とは人生そのものです。だとすれば、どうやって効率的にこなすかよりも、本当にそれをやりたいのか?を問うほうが重要ですよね。
時間はその時間で何をしたか、つまり出来事で測ります。
1時間テレビを観ると決めたら、その1時間でできたテレビを観る以外のことをすべて諦めているのと同じです(機会損失)。何をするか決めると同時に、何に時間を使わないかも決めています。
人生をコントロール=時間をコントロール=出来事をコントロール
自分でコントロールできる出来事が増えれば、人生をコントロールできていることになります。
コントロールできる :休みに何をするか、何を食べるか、誰と過ごすか等
コントロールできない:天気、事故、社会情勢、他人の感情等
コントロールできないことに不満を言っている時間は無駄です。
また、コントロールできることをコントロールできないと思いこんでいると、自尊心が下がっていきます。
生産性、自尊心、出来事のコントロールは互いに相関関係があります。
生産性が上がれば自尊心とコントロールできる出来事が増えますし、コントロールできる出来事が増えれば生産性も自尊心も上がります。逆に、自尊心が下がれば生産性もコントロールできる出来事も減ります。
生産性、自尊心、出来事のコントロールのうち、1番手をつけやすいのが出来事のコントロールです。
自分の価値観に沿った行動を増やすと、出来事をコントロールできている実感がわくでしょう。
要約②:生産性のピラミッドは価値観が土台
生産性のピラミッドは、価値観が土台になっています。
いくら毎日のto doリストをこなしても、それが価値観に基づいていなければ虚しさを感じるでしょう。
自分の価値観と、その価値観は自分にとってどういった意味があるかを個人の憲法として明文化します。本の中では価値観や個人の憲法の例がいくつか紹介されています。
そして、その価値観に基づいて長期目標・中間ステップ・日課のリストを作成します。
長期目標や中間ステップは、自分の安心領域(コンフォートゾーン)を飛び出しているかが重要です。
目標を設定することは、計画的に現状と対立することである。したがって、定義から言えば、目標の達成とは、何か新しいことを行うこと、安心領域という快適な環境を離れて未知の世界を開拓することである。
日課のリストを作るときは、まず毎日10~15分の計画する時間を取ります。
その時間で次の質問を意識して今日やることに優先順位をつけます。
Q1.人生のなかであなたが最も大切に思っているものには、どういうものがあるだろうか?
Q2.その中であなたが最も価値を置いているものはどれだろうか?
自分の価値観に沿っていない行動を効率的に片付けたところで、心の安らぎは手に入りません。
価値観と実際の行動が一致していることが最も重要です。
優先順位が高いものが終わるまで、優先順位の低いタスクのことは考えません。
上から1つずつ片付けていきましょう。
自分との約束を守る、自分が大切だと決めたものを大切にすることで、コントロールしているという実感が増します。
要約③:”思いの窓”に映し出された価値観を改善する
望ましい行動を取るには、なぜ特定の行動を取るかを理解して改善します。
なぜ特定の行動を取るかはリアリティ・モデルで説明できます。
心理的欲求は生存や愛情、承認などの欲求です。
思いの窓には価値観や信念が反映されています。価値観や信念に従ってルールができ、それが行動を決めます。
私たちは「思いの窓」に映す新たな想いを常に発見するとともに、今よりもっと良い、またもっと正確な想いを加えていかなければならない。そして、それらの想いを今までもっていた想いと調和させなければならない。これができない限り、人生のコントロールは不可能なのだ。
たとえば、『良い母親は家にいるもの』という信念が思いの窓に映っているとき、仕事で家を空けがちな母親は自己嫌悪に陥ります。不満足な結果を生み出す信念は改善したほうが心の安らぎを得られます。
思いの窓を改めるには次のステップがあります。
①悪い結果をもたらす行動パターンを特定する
②そのパターンを生み出している想いを明確にする
③その想いによって生まれる将来の行動を予測する
④もっと良い結果を生む新しい想いを打ち出す
⑤その新しい想いによって生まれる将来の望ましい行動を予測する
何を信じるかは自分でコントロールできます。
思いの窓に映し出されていることを改善するプロセス=個人の成長なのです。
『タイムクエスト(TQ)』の次に読むなら?
『タイムクエスト(TQ)』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』
本当にやりたいこと=好きなこと×得意なこと×大事なことを見つけるための本。
自分の価値観を明確にするための質問がたくさん載っています。
参考記事:『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の要約まとめ【自己分析はこれ1冊でOK】
②『時間術大全』
人生で大切なことに時間を使うためのコツが87個も紹介されています。
時間の使い方を徹底的に見直したい人におすすめです。
参考記事:『時間術大全』の要約まとめ:自分の人生にとって大事なことをする時間を取り戻す
③『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』
価値観に沿った行動は重要ではあるが緊急ではないことが多いので、先延ばしをしてしまうかもしれません。
先延ばしの方程式を知って、タイプ別に対策しましょう。
参考記事:『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の要約まとめ:先延ばしの方程式と対処法
まとめ:大切にしたいことを大切にする
・時間のコントロール=出来事のコントロール
・何をするか決めることは、何に時間を使わないかも決めている
・出来事をコントロールできれば生産性と自尊心が上がる
・生産性のピラミッドは価値観が土台
・価値観に沿っている行動を計画するために毎日時間をとる
・思いの窓に映し出した価値観によって行動が決まる
・思いの窓に映すものを自分で決める
時間に対する考え方が変わる本でした。
『7つの習慣』と共通点が多いので、あわせて読むのもおすすめです!
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