Webライターを始めると、
発注元からライティングのマニュアルが渡されることがほとんどです。
(レギュレーション、ライティングルールなどと呼ばれます)
何社か受注してマニュアルを読みましたが、
だいたい似たようなルールが書いてあります。
発注元がルールにまとめているNG表現は、
Webライターが使ってはいけない・使わないほうが良い表現と言えます。
使ってはいけない理由は主に2つです。
1:法律やガイドラインに抵触する
2:低品質な文章に見える
この記事では、
Webライターが使ってはいけないNG表現とその対策をまとめました。
NG表現を避けて発注元からの評価が上がれば、
継続案件の獲得や単価アップ交渉を有利に進められます。
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目次
WebライターのNG表現とはどんな表現?
NG表現には、法律に抵触する表現と低品質な文章にみなされる表現があります。
法律や広告ガイドラインに抵触する表現
特に健康、美容系の商品やサービスに関するライティングでは注意が必要です。
薬機法
薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、薬事法から名称変更されました。
この法律の中で広告に関する規制があり、
誇大広告にならないように注意してライティングする必要があります。
薬機法には、医療器具や医薬品、化粧品などが対象ですが、
対象でなくても医薬品と誤解させるような表現はNGです。
例:医薬品と誤解させるような表現
・病気が治る
・シミが消える
・痛みがなくなる
など
医療広告ガイドライン
医療広告ガイドラインは法律ではありませんが、
守るべきガイドラインとして厚生労働省から通知されているものです。
虚偽や誇大広告、他施設と比較して優良である旨の表示、
客観性が証明できない内容はNGになります。
例)ガイドラインでNGの表現
・絶対安全な手術
・日本一の~、最高の~
など
低品質な文章とみなされる表現
そもそも文法的に間違っていたり語句の意味を間違えて捉えていたりすると、
稚拙な印象を与えて、内容の信ぴょう性まで疑われるかもしれません。
また、同じ表現が繰り返し使われている・文字稼ぎの回りくどい表現ばかりだと、
退屈でくどい印象です。
自分で自分をほめ過ぎて胡散臭い文章もあります。
このような文章は、普段読む側の立場だと気づきやすいのですが、
いざ書く側になると意図せず書いてしまっていることも。
NG表現の具体例
次に、NG表現の具体例を紹介します。
薬機法やガイドラインに抵触する恐れのある表現
健康・美容ジャンルのライティングでは特に気をつけましょう。
例)他より優良である表現/客観性に乏しい
他店よりも痛みが少ない施術です。
⇒他店より優良である旨の表現であり、
痛みという主観的な感覚を比べているため客観性が乏しい。
例)誇大広告
アンチエイジングに効果があり、気になっていたシミもすぐに消せます。
⇒効果を保証するような表現はNGです。
効果に対して、
”絶対に効果がある”、”必ず”、”100%”などの表現は使わないようにしましょう。
文法や語句の使用方法が間違っている
文法的な誤りは、日本語が母国語の人なら読み返せば気づくことが多いです。
つまり、文法的な誤りを放置していると、
読み直していない・仕事が適当な人だと思われてしまいます。
具体例:”~たり”の用法
Aくんは野球をしたりサッカーをした。
⇒Aくんは野球をしたりサッカーをしたりした。
”~たり”は単独使用だと文法的に誤りになります。
具体例:ら抜き言葉
エディブルフラワーとは食べれる花のことです。
⇒エディブルフラワーとは食べられる花のことです。
もはや、ら抜き言葉が標準となってきている気もしますが、
ら抜き言葉に違和感を抱く人も多いです。
具体例:二重敬語
「~」とお客様がおっしゃられました。
⇒「~」とお客様がおっしゃいました。
”おっしゃる”がそもそも尊敬語なのに、
さらに尊敬の助動詞”れる・られる”がついて二重敬語になっています。
同じ表現の多用
同じ表現を多用していると、ボキャブラリーが少なくて魅力のない文章になります。
具体例:多用しがちな語彙
・提供
・利用
・おすすめ
・~な人が多い
など
ライティングのジャンルによっても、多用しがちな表現は異なるかもしれません。
使用する語彙のバリエーションにも気をつけましょう。
文字稼ぎの表現
文法的に間違っているわけではないのですが、
回りくどい・文字数稼ぎと思われてしまう表現もあります。
具体例:~することができます
ご案内することができます。
⇒ご案内できます。
”することが”を抜いて意味が通じるので、
あってもなくても良い無駄な表現です。
具体例:~させていただきます
ご提供させていただきます。
⇒ご提供いたします。
こちらもシンプルに言い換えられるので、冗長な表現は避けましょう。
具体例:~ということ、~という方
”という”は1回くらいの使用なら気にならないのですが、
気が付くと連発していることがあります。
~は難しいということが言えます。
⇒~は難しいと言えます。
仕事が忙しいという方や運動が続かないという方が多いです。
⇒仕事が忙しい方や運動が続かない方が多いです。
”という”を抜いても何も変わりません。
多すぎないかを文字検索でチェックしています。
ライティング案件は文字数が決められていることが多いので、
シンプルな表現にすると文字数が届かないかもしれません。
しかし、冗長な表現に変えて増やせる文字数はたかがしれています。
がんばって10文字程度ですよね。
文字数を増やすなら、
具体例を付け加える・読者が思い浮かびそうな反論に答えるほうがおすすめです。
文字数も100文字前後は増えますし、内容も充実します。
信頼性に欠ける表現
自分で自分をほめ過ぎるなど、客観性に欠ける表現は文章全体の信頼を失います。
これも読み手側だとすぐ気づくのですが、
セールスや集客が目的のライティングをしているとついつい書いてしまいがちです。
具体例:自分で自分をほめる
スタッフが親切に対応します。
⇒自分で親切と言ってしまっている。
自分で言っていないか確認しましょう。
具体例:根拠のないおすすめ
ダイエットが続かない方には〇〇がおすすめです。
⇒おすすめの具体的・客観的な根拠がなければならない。
「買ってほしい」という気持ちが強すぎると読者は引いてしまうものです。
おすすめしたいときこそ客観性を大切にしましょう。
NG表現を使わないためにはどうすればよい?
NG表現を使って納品すると、発注元からの評価は下がります。
ルールを読んでいない・理解していないと思われるからです。
NG表現はすべて違う表現に書き換えてから納品したいものですが、
どうすれば見逃しが防げるでしょうか。
わたしが実際に行っている対策を紹介します。
NG表現集を一覧にして手元に置いておく
NG表現集を作り、プリントアウトしていつでも見られるところにおいておきます。
ライティングしながら「あれ?この表現はOKだっけ?」と思ったときに、
すぐに確認できるからです。
発注元からもらったルールも一緒にプリントアウトして、
さらに個別にいただいた指摘も書き込んでいます。
NGだと分かっていても、自分のクセはなかなか抜けないものです。
特に自分が書いてしまいがちな表現には注意しましょう。
類語を調べる
同じ表現を多用してしまう人は、類語を調べてまとめておくと便利です。
書いている最中に言葉の言い換えを考えるとライティングの手が止まってしまうので、
いったん同じ表現でもいいから書いてしまいます。
あとから多用している語を置き換えていくとスピードが落ちません。
例えば、わたしはお店の紹介系の案件が多いので、
すぐ”ご利用ください”と書きたくなります。
その場で書き換えが思いつかなければ”ご利用ください”と書いておいて、
あとから場面に合わせて下記のような選択肢の中から書き換えていきます。
お申し込みください
お申し付けください
ご依頼ください
ご相談ください
ご用命ください
お問い合わせください
お電話ください
足をお運びください
お越しください
ご覧ください
ご活用ください
お役立てください
お任せください
用意してお待ちしております
お試しください
お立ち寄りください
ご堪能ください
お楽しみください
ご来店ください
~な時間をお過ごしください
ひと晩経ってから読み直す
一度書いたものは、ひと晩経ってから読み直します。
新鮮な気持ちで読むために、24時間以上は空けるようにしています。
書いてすぐ見直すと疲れていますし、
書いた記憶があるからつい流し読みをしてしまうのです。
1回文章も自分も寝かせて、新しい気持ちで読み直しましょう。
どんなに手ごたえがあったライティングでも、
読み直すと必ず修正箇所が見つかります。
誤字脱字チェックの方法はこちらで詳しく紹介しています。
誤字脱字が治らないときの対処法!Webライターの品質向上&修正依頼を減らす
まとめ:NG表現をなくして発注元からの評価を上げよう!
・WebライターのNG表現は2種類ある
‐法律やガイドラインに抵触する表現
‐低品質な文章にみなされる表現
・健康・美容ジャンルでは薬機法と医療広告ガイドラインに気をつける
・文法や語彙の誤用は見逃さない
・同じ表現を多用していないか確認する
・回りくどい表現はばっさりカット
・自分のクセを知って注意する
・ひと晩寝て、新しい気持ちで読み直す
最初、ライティングルールを理解したりNG表現に気をつけたりするのは大変です。
ただ、何社か受注してみると、けっこうNG表現は同じなのだなと気づきます。
はじめたばかりのころは、ミスを指摘されても仕方ありません。
同じミスを指摘されないようにすれば大丈夫です。
Webライターでライティングスキルを身に付けたら、
自分のブログを始めるのがおすすめです。
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