『4focus』の要約まとめ:4種類の集中状態を使いこなそう

『4focus』の要約まとめ:4種類の集中状態を使いこなそう

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『4focus』は集中状態の作り方・高め方がわかる本。

著者は脳神経科学者であり、脳の仕組みから集中状態をつくる法則を教えてくれます。

 

集中状態には4つのタイプがあることを初めて知りました。

勉強や仕事の生産性を上げたい人、創造性を発揮したい人には具体的なヒントが満載です。

★『4focus』の要約ポイント★

 

・ポジティブな面に意識を向ける記憶ドリブンをつくる

 

・集中力には心理的安全性が必要

 

・集中力には4つある

 入門集中/記銘集中/俯瞰集中/自在集中

”誰でも何歳からでも集中力を育むことができる”という言葉に励まされました。いつからでも遅くはないので、脳の集中力を鍛える法則を学びましょう!

この記事では『4focus』の要約を紹介します。

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要約①:ポジティブな面に意識を向ける記憶ドリブンをつくる

 

脳には3つの情報処理ネットワークがあります。

 

デフォルトモード・ネットワークに影響を与えるポジティブな記憶ドリブンをいかにつくれるかが、集中力を高めるポイントです。

①デフォルトモード・ネットワーク

無意識に近い状態で、記憶や経験から自動的に情報処理をする

 

②セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク

自発的に意識を向けた状態で情報処理する

 

③サリエンス・ネットワーク

①と②の切り替えを行う

たとえば、駅から家までの帰り道は何度も通っているので考え事をしながらでも家に帰ることができます。

その途中に新しい店がオープンしていたり、工事中でいつもの道が通れないときにはサリエンス・ネットワークが注意を向けるように促し、①のデフォルトモード・ネットワークから②のセントラル・エグゼクティブ・ネットワークに切り替わります。

 

デフォルトモード・ネットワークは過去の記憶・経験から行動を決めるので、良い記憶を積み重ねれば注意力が切れた状態でも良い方向の行動を促してくれるのです。

セントラル・エグゼクティブ・ネットワークで理想とする方向に注意を向け、行動し、デフォルトモード・ネットワークに好影響を与える記憶ドリブンを作っていくイメージです。

 

注意を向けた行動が記憶ドリブンをつくるので、ポジティブな面に目を向けることが大切です。

 

人間はネガティブな情報をより重視する本能(ネガティビティ・バイアス)があります。

そのバイアスに打ち克ち、ポジティブな面に目を向けることを習慣づけるには、ポジティブな感情が芽生えた瞬間を記録しましょう。

 

具体的には、自分がポジティブな感情になった場面とその理由をノートに書いていきます。

ポジティブなことを記録しようと思うとポジティブなことに気づきやすくなりますし、自分がどういうときにポジティブになりやすいかという傾向も見えます。

2週間続けると良いそうです!
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要約②:集中力には心理的安全性が必要

 

集中力を発揮するには、心理的安全性が保たれていることが必要です。

心理的安全性:

不安や恐れを感じることなく、安心して思考・発言・行動できる環境にいること

心理的安全性はチームで力を発揮するときに欠かせないものとして登場することが多いですが、集中力にも関係あるというのは初めて知りました。

脳神経科学の研究では、心理的安全性が保たれているときは前頭前野がよく働き、不安や恐れを抱く心理的危険性の状態になると前頭前野の機能が低下することがわかっています。

脳が安心状態にないと、人は最高の集中力を発揮することができないのです。

前頭前野は思考、創造性、集中力等を司り、感情をコントロールするところです。

 

心理的安全性を保つには、心理的危険性を③サリエンス・ネットワークで察知して、②セントラル・エグゼクティブ・ネットワークで認識して対処できるかにかかっています。

 

具体的には次のような対処法があります。

・「もし心理的危険性を抱えたら、〇〇する」と事前に決めておく

 

・うまくいった時間と場所、やり方を結び付ける

 

・呼吸法をルーティンに入れる

事前に対処法がわかっているだけで安心できます。また、「あのときはうまくいったな」という記憶を思い出す場所や時間が多いほど安心の状態を自分で作り出すことが可能です。

 

呼吸など自分と向き合うルーティンで思考や感情など自分の内側を整えると、③サリエンス・ネットワークが活発になります。

 

心理的安全性を感じやすい行動があれば、先にスケジュールしてしまいましょう。

多くの人は、仕事や家事、育児など、誰かのためにやらなければいけないことを優先してスケジュールを立てがちですが、少しだけ視点を変えてみてください。

心理的安全性を整えてくれる項目を先にスケジュールに入れて、その前後にやらなければいけないことを配置します。

自分の心理的安全性を優先することでパフォーマンスが上がり、そのほかのやらなければいけないことも結果的にスムーズに終わるはずです。

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要約③:集中力には4つある

脳神経科学から見た「集中している状態」には4つの種類があります。

4focus

 

それぞれ得意な場面が異なりますが、多くの人は入門集中に偏りがちです。

それ以外の3つの集中力を意識することで、集中力の幅が広がります。

 

入門集中

多くの人が”集中”と聞いて思い起こすのは「外に、狭く」の入門集中です。

ゴールが明確な作業を効率よくやる、新しいことを学ぶときに発揮します。

 

入門集中を高めるには、ゴールイメージを鮮明にすることが重要です。

具体的には、予測機能を活用することでさらに効率が上がります。

ほんの一歩先を脳に処理させ、次にやることを脳に頭出しさせて、処理を実行し続ける能力が身につくと、物事の処理が劇的に効率化します。

少し先の展開を予測しながら本を読む、少し先の流れをイメージしながら話す等、

効率化したいと思っている作業に予測機能を取り入れてみましょう。

記銘集中

「内に、狭く」の記銘集中は、入門集中で取り入れた情報を引き出しながら思考を巡らせます。

そして、その情報が改めて引き出される作業が挟み込まれると、取り込んだ情報が「重要なものだ」と脳は認識し、記憶の痕跡化を進めるのです。

逆に、一度脳に入門しても、再度引き出されないような情報は「さほど重要でない」と判断され、忘却の道を辿るのです。

 

予測機能を使うことは記銘集中にも有効です。

「予測するくらい大事なことなんだ」、「予測と外れていたならしっかり覚えておかないと」と記憶を促すことができます。

 

さらに、記銘集中で自分と対話することで、なぜやるのか?を深掘りして自分ごと化することにもつながります。

 

自己内対話で自分がどこに反応したか、どんな風に感じたかに意識を向けることで、感情を伴った記憶になり、記憶力や理解度も上がるでしょう。

俯瞰集中

「外に、広く」の俯瞰集中は、目の前のことをやりながら全体も見えている状態です。

たとえば、レストランで目の前のお客様に給仕しながら、フロア全体の状況も把握している等の例が挙げられます。

 

俯瞰集中は特定の分野で体が先に反応する、熟練の技術です。

 

まったく未知の分野では、入門集中や記銘集中の狭い集中力を使うほうが効果的ですが、

土台となる経験や知識がある程度身についた時点で、俯瞰集中を使ってみましょう。

真面目な人ほど、常に「外に、狭く」の入門集中のモードで、注意を強く向け、濃い情報を読み取ろうとします。でもそれは、集中力の使い方としてはロスが大きく、伸び悩みの原因になってしまう可能性があります。

何か思い出したいことがあるのに思い出せないとき、そこに意識を集中するのではなく、パッと手放してみましょう。視野を広げて周辺に注意を向けていきましょう。

俯瞰集中で流し読みをし、サリエンス・ネットワークが「あっ」と反応したところを深く入門集中で理解するようなアプローチが効率的です。

自在集中

「内に、広く」の自在集中は、ぼーっと考えている空想のようなふわふわした思考の状態です。

”自在”とは、仏教の言葉で煩悩から解放されて自由なことを言います。

 

自在集中はデフォルトモード・ネットワークとセントラル・エグゼクティブ・ネットワークが出会ってアイディアが生まれやすい状態です。

 

具体的には、煮詰まったときにあえて単調な作業をすると、思考が自由に広がります。

 

Amazonのジェフ・ベゾスもMicrosoftのビル・ゲイツもお皿洗いを自分でするそうです。

単調な作業はマインドフルネスにつながり、インスピレーションがわくという研究結果もあります。

家事などのルーティン作業中は音声学習をする人も多いですが、

あえて家事だけをして自在集中を活用するのもいいですね!

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『4focus』の次に読むなら?おすすめ本3冊を紹介

 

『4focus』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『When 完璧なタイミングを科学する』

自分の最適なタイミングを知り、生産性を上げるための本。

自分の体内時計のパターン(クロノタイプ)に合わせてタスクを決めたり、適切な休憩を取ることで集中力の低下をゆるやかにしたりできます。

参考記事:『When 完璧なタイミングを科学する』の要約まとめ:タイミングがすべて

②『リミットレス 超加速学習』

 

能力開発や学び方を学ぶメタ学習の本です。

 

知能や能力は生まれつきのものではなく、

自分が脳にどのような刺激を与えるかで変化させることができます。

参考記事:メタ学習におすすめの本『リミットレス 超加速学習』の要約:自分の限界を超える

 

③『心理的安全性のつくり方』

 

『心理的安全性のつくり方』は心理的安全性を高める因子とリーダーのふるまいがわかる本

個人の集中力だけでなく、チームの力を引き出すためにも心理的安全性が重要です。

参考記事:『心理的安全性のつくりかた』の要約:脱ぬるま湯職場!心理的安全性の4因子とは?

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まとめ:4つの集中を使いこなそう

・脳には3つの情報処理ネットワークがある

 ①デフォルトモード・ネットワーク

 ②セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク

 ③サリエンス・ネットワーク

 

・良い記憶ドリブンがあれば注意力が下がったときに良い行動を取れる

 

・良い記憶ドリブンの作り方⇒ポジティブな感情とその理由を記録する

 

・集中力には心理的安全性が必要

 

・集中には4つの種類がある

 ①入門集中:新しい知識を得る

 ②記銘集中:記憶を引き出す、自分と対話する

 ③俯瞰集中:特定の分野で体が先に動く

 ④自在集中:ぼーっと自由に考える、アイディアが出やすい

脳神経科学をわかりやすく・実践しやすい形にかみ砕いて説明してくれています。

集中力を高めたい、生産性を上げたい人におすすめです!

 

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